「彩咲陽(あさひ)は20歳になったばかりだったんです。家族でバースデーのお祝いをして、彩咲陽はケーキを持って笑っていました。……行方不明になったのはその1週間ほどたったころです……」
その苦しい胸の内を明かすのは神奈川県川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(20歳)の親族の女性だ。
岡崎さんは2024年12月20日早朝、自宅から姿を消した――。それから5ヵ月が経った4月30日、同市にある岡崎さんの元交際相手だったA(20代後半)宅から身元不明の女性の遺体が発見されたのだ。
岡崎さんは行方不明になる直前、Aからの執拗なストーカー行為に悩み、何度も警察に通報、相談をしていた。
「神奈川県警は4月30日、岡崎さんへのストーカー規制法違反の疑いでA宅を家宅捜索したところ、床下から黒いスーツケースに入った身元不明の女性の遺体を発見しました。
5月2日に行った司法解剖の結果、遺体は若い女性とみられ死後1ヵ月以上が経過していたことが分かった。遺体は一部が白骨化しており、燃やされた痕跡もあったそうです。死因はわかっていません」(全国紙社会部記者)
警察は身元の特定を進めるとともに、死体遺棄事件としても捜査をしている。
「Aは岡崎さんに対するストーカー行為により、警告も受けたこともあった。それでも付きまといや嫌がらせは止まらず、岡崎さんや家族が通報や相談を繰り返していても、警察はほとんど対応していなかったそうです。
行方不明になったあと、警察はAから何度か任意で事情を聞いたそうですが、とても真剣に捜査しているようには見えなかった。そこで家族や友人らは自分たちで彩咲陽さんの行方を捜索し始めた。その様子がSNSなどで拡散され、メディアで取り上げられるなどして多くの人が知り始めると警察はようやく家宅捜索に踏み切ったのです」(前出の全国紙社会部記者)
岡崎さんの家族や関係者は一連の行方不明事件にAが関与していると訴えている。
実は彩咲陽さんが行方不明になった日、家族の携帯には不審なメッセージが届いていた。冒頭の親族の女性が明かす。
「彩咲陽は祖母と同居していました。行方が分からなくなった日の前日、祖母と一緒に仕事を終えて帰宅し、家で就寝したところまではわかっています。でも、お昼ごろになっても起きてこないことから不信に思った祖母が部屋を見ると彩咲陽の姿がなかった。最初は『友達とどこかに行ったのかな』と思ったそうで、まさか『誘拐された』とは考えてもいなかった」
岡崎さんは同居する祖母と親族が経営する飲食店で働いていた。仕事の行き帰りも家族と一緒に行動し、祖母宅のドアや窓はきちんと施錠された状態だった。
「すると『今、コンタクトを買いに来ている』と“彩咲陽”から連絡がきた。誰とか、と尋ねると友人の名前を出していました。でも、その子に連絡したら『一緒じゃない』と言われたんです」(前出の親族の女性、以下「」も)
慌てて心当たりなどを探し始めたという。不信な点がいくつもあったからだ。
行方が分からなくなった当日、いくつかの不審な点が見受けられたのだ。12月末にもかかわらず、防寒具や靴、鞄も自宅に残されたまま。スマホ一台だけ持って寝巻のまま外出する、なんてことはとても考えられない。
「それどころか翌日になっても帰ってこなかった。すると家族が普段は使っていない1階の部屋のカーテンが揺れていることに気付いたんです。見ると窓ガラスが割られていました」
【つづきを読む】『 【川崎・死体遺棄事件】「殺されるかもしれない…」行方不明女性が抱いていたストーカー化した元カレへの恐怖と届かなかった警察への「SOS」 』では岡崎さんに執拗に付きまとったAと神奈川県警の怠慢について続けて報じる。
【つづきを読む】「殺されるかもしれない…」行方不明女性が抱いていたストーカー化した元カレへの恐怖と届かなかった警察への「SOS」