理想の人生を送るために、やってはいけない「3つのこと」とは?(写真:Lyo/PIXTA)
今日は「こどもの日」。あなたは子どもの頃に思い描いていた「理想の自分」になれているでしょうか。ある調査では、死の床にある人の76%が「理想の自分になれなかったこと」を後悔しているといいます。妥協して平凡な人生で終わらせないための処方箋を『[新版]人生を変えるモーニングメソッド』から一部を抜粋・編集して紹介します。
「平凡」とは、最高バージョンの自分と比べた現在の自分を、どう思うかという問題だ。自分の望みに届かないところで妥協すること、それが「平凡な人生」だ。
コーネル大学の研究者が、死の床にある何千人もの人に、人生で最大の後悔をあげるようにたずねたところ、76%が同じ答えだった。「理想の自分になれなかったこと」。
あなたはどう思うだろう。僕は、全人口の4分の3が人生の終わりを迎えたときに、「自分の可能性を最大限に発揮して生きる勇気があればよかった」と後悔するのかと思うと、気が滅入ってしまう。
とはいえ、ほとんどの人が納得できる人生を叶えられていないことは、データを見なくてもわかるだろう。知り合いや社会全体、鏡に映る自分を見つめて評価してみてほしい。「10点満点」の人生を送る、あるいは送ろうとしている人が何人いる?
ここからは理想の人生を送るために、やってはいけないことを紹介しよう。
■ 平凡化する原因 「バックミラー症候群」
僕たちは無意識のうちに自分に制限をかける「バックミラー」を使って、過去を再生しては追体験している。「昔の自分の姿」を「今の姿」だと思い込み、過去の縛りを基準にして自分の限界を決め、今そこに確実に存在する可能性にブレーキをかけてしまうのだ。
その結果、朝の起床時間から人生の目標設定に至るまで、あらゆる選択を、過去の経験に照らし合わせて制限しようとする。もっと良い人生を送りたいと思っているにもかかわらず、過去を参照する以外に方法が浮かばないのだ。
平均的な人は、1日に5万から6万件の事柄を考えているそうだ。問題は、そんな考えの大半が、毎日同じか、非常に似ていることだ。そのため、思考パターンが形成される。習慣的に同じ考えを抱き、同じ感情を味わい、同じ気分になる。自分を疑うことが思考パターンになる。恐れることが思考パターンになる。怒りが思考パターンになる。
せっかくチャンスが訪れても、素早くバックミラーで過去の自分の限界をチェックする。
「ダメだ、そんなことは今までやったことがない」「そのレベルは自分にはできない」「実際、今まで何度も繰り返し失敗してきた」
逆境に直面したときも、やはりバックミラーを信頼して、それを指針に出方を決める。「やっぱりついてない。僕はいつもこうなるんだ。あきらめるしかない」。
■ 解決策 無限の可能性を受け入れる
過去や自分の縛りを乗り越えて成長したいのなら、バックミラーを見て自分の価値と能力を認識するのをやめよう。代わりに、無限の可能性というレンズを通じて、何が自分にできるのかに目を向けるのだ。
「自分に何ができるかは、過去ではなく可能性に基づいて決まる」という思考パターンを受け入れ、肯定することから始めよう。モーニングメソッドを実践することで、無意識の習慣的な思考パターンや潜在意識を組み替えて、人生の望みを叶えるための枠組みが形作られる。毎朝続けることで、すぐに過去の苦労や限界を、未来の刺激的な選択肢やチャンスに置き換えられるようになるだろう。
■ 平凡化する原因 「物事のつながりを無視する」
平凡化の原因として、「ありがちだが気づきにくい」のが、物事のつながりを無視することだ。人は、自分の行動は、特定の時間や状況だけに影響を与えると思いがちだが、それは誤っている。たとえば、次のことを「たいしたことない、明日挽回すればいい」と考えてしまうケース。
▼ ワークアウトを1日さぼる▼ プロジェクトを1日先延ばしにする▼ ファストフードを夜に食べる
ワークアウトを1回さぼる影響はそのときだけだし、次回は2倍やればいい、と考えるのは、思い違いだ。これをやると全体像を見失ってしまう。自分がとる行動や選択、さらには思考のひとつひとつが、重大な影響や決定的な結果につながる。
なぜなら、あなたが思うこと、選ぶこと、行動することが、「あなたの今後の姿」を形づくり、最終的には人生のクオリティを決定することになるからだ。毎回「正しい道」ではなく「ラクな道」を選んでいれば、それがあなたのアイデンティティや人柄になる。
「正しい行動」を選び、気分が乗らないときでも決めたことを守ると、結果を出すために必要な「強い自制心」が育まれる。ほとんどの人が一生育むことができない、厳しい自己管理能力が鍛えられるのだ。
■ 解決策 自分の選択の影響を意識する
朝アラームが鳴ってスヌーズボタンを押したくなったら、こう考えてみよう。「待てよ。これは僕が“本当になりたい自分”じゃない。朝ベッドから出られないほど自己管理能力が低い人間にはなりたくない。今起きよう。なぜなら僕は『早起きして、理想の自分になる』ことに決めたのだから」
覚えておいてほしいのは、「なりたい自分の姿」のほうが「今何をするか」よりはるかに大切であることだ。
■ 平凡化する原因 「平凡な友人の輪に入っている」
「長く時間を共にしている5人の人を平均したのが、あなただ」とは、ジム・ローンの有名な言葉だ。
幸せで理性的な人の輪の中で多くの時間を過ごせば、それだけで、幸せで理性的な人になる可能性が高くなる。健康的な食事に価値を置いているグループと親しくしていれば、その集まりにマクドナルドの袋を持って参加することはないだろう。
高収入でお金の使い方が上手な人たちと時間を過ごすとしたら、たとえ輪に入ったばかりのあなたの収入が低くても、彼らの考え方やお金の稼ぎ方に確実に影響を受け、あなたの経済的成功のレベルを高めるのに役立つだろう。
逆に、ほとんどの時間を一緒に過ごす人たちが、不幸せで、不健康で、情緒不安定で、経済的に苦労していて、絶えず不平を言い、常に自分の能力よりも低い位置に甘んじているなら、あなたもそちらの方向にひきずられてしまう。
■ 解決策 人の影響の輪をアップグレードする

自分自身や人生を向上させる準備ができているのに、改善の努力をしていない人に囲まれている、という残念なパターンはたくさんある。とりわけ家族や大切な人がそのような状況の場合は難しい。
でも、他人の行動はコントロールできなくても、自分の行動はコントロールできる。誰と親しくするかを選び、あなた自身がどんな人間になろうとするのか、どのような人生を生きるのかは自分で決められる。
人の輪の影響をアップグレードするためには、まずは自分自身をアップグレードすることから始めなくてはならない。一緒に過ごす人々があなたの考え方や在り方に影響を与えるのと同じように、あなたの言動もまた、周囲の人々に影響を与える。
常に、自分の人生に役立つ人、「最高の自分」を引き出してくれる人を捜し求めよう。そしてもちろん、あなたも周囲にいい影響を与えよう。
以上の3つの原因を思い当たるなら、今日から何かを変える必要がある。明日でも来週でもいつかでもない。今日から変えると決めることが大切なのだ。
(ハル・エルロッド : キーノートスピーカー)