ゴールデンウィークなど長期休みの後には、不登校になる子どもが増える傾向にあります。休み中、もし子どもに不安な様子が見えたら保護者はどのような行動を取ったらよいのでしょうか。
【写真を見る】五月病は実在する!?GW明けに不登校になる子どもが増加…保護者の取るべき行動は 子どものSOSサインと、専門家が指摘する子への「NGワード」
全国的に「不登校」の児童生徒は年々増加していて、県内も例外ではありません。
文部科学省の調査では、県内で不登校となった児童や生徒の数は、昨年度、小・中学校では1000人あたり31.7人。
高校では、1000人あたり24.8人でいずれも過去最多となりました。
県の担当者は「全国と同様に増加傾向にありますので、県としては喫緊の課題と捉えています」と話します。
コロナ禍以降、体調不良時などに学校が積極的に登校を促せなくなったことなどが原因と分析されています。
■「5月病」は実在する
県の担当者は、ゴールデンウイークを警戒していました。
「新学期から子どもさんが気を張って頑張ってきたわけだが、休みが続いて一息ついたものの、もう一度登校する気力が出にくくなったりとか、休んでいる間に学校への不安が強くなってきたり、休みの中でどうしても生活リズムが乱れてしまったり・・・」
いわゆる5月病は実在すると言えそうです。
こうした子どもの不安を感じ取るために、大人たちが様子を注意深く見ていく必要があります。
■子どもが出す「SOSのサイン」具体例
発達心理学が専門の米沢栄養大学の花屋道子教授に聞きました。教授によると、以下がSOSのサインとして挙げられるということです。
○小さい子・・・おねしょ、着替えがはかどらず行き渋り など
○中学生・・・食欲不振、夜眠れない など
さらに、人間関係が原因との考え方も。教授は「不登校になっているお子さんは大なり小なり(先生との)タテの関係、(友だちとの)横の関係での傷つき体験があるんだろうといわれています」と指摘します。
■親の行動も重要な対策に
教授によると、まずは生活リズムを崩さないよう「昼夜逆転」を防ぐことが大切だといいます。
加えて、「悩んだりなんだりすることも成長の一つなんだって親が思って落ち着きを失わないことはとても大切」ということです。
■子どもへの意外なNGワード
自分の子どものこと。心配になり「大丈夫?」と声をかけたくなりますが、これがNGワードだといいます。
「『大丈夫?』って言われると、まず一つには十分に信用してくれていないんだなと伝わる。力不足だと疑っているんだろうなと思われやすい。信用していないと伝わらないことが大事」
では、どうすれば。
効果的な声がけは、「私」を主語にする「Iメッセージ」です。
『あなたはどう?』『あなたは大丈夫?』などの「あなた」を主語にする「Youメッセージ」の反対にあたるもので、『私はあなたが元気がないようだから心配しているよ』などと、保護者側が自分を主語にして気持ちを表すことで、伝わりやすくなるといいます。
■もしもの時は、親の素直な気持ちを表現
教授は、「『お母さんとしては心配になって』そんな風にただただ心配に思う親の側の心境を伝える方が、けんかにもならない」と話します。
また、「言葉にできないけれど何か感じ取っているんだよね?」「ちょっと休んでみる?」と無理はさせない声がけも効果的だということです。
子どもとコミュニケーションをとり、意欲を引き出しながら、もし学校へ行くことが難しい場合は焦らず、子どもにあった方法を探すことが大切です。