冬型の気圧配置が強まり、再び寒波がやってきています。すでに大雪となっているところもあり、影響が長引きそうです。(2025年2月18日「Nスタ」午後5時半ごろの放送より)
【3時間ごとの大雪と雨の予想シミュレーション】交通の要所で積雪のおそれ
広瀬駿気象予報士:生活に支障が出るほどの大雪で、影響が長引くので3連休(22日~24日)にかけても注意が必要です。2月18日午後5時現在、群馬・みなかみや福島・会津若松など日本海側や太平洋側の一部で本格的に雪が降っている状況です。

北風なので、関西エリアでも広い範囲で雪が降っています。
【日最深積雪18日17時まで】・酸ケ湯(青森)476cm(14:00)・津南(新潟)310cm(17:00)・肘折(山形)281cm(17:00)・白川(岐阜)224cm(16:00)・藤原(群馬)216cm(17:00)
雪に慣れていて雪に強い地域でも、平年の2~3倍の積雪があるような状況です。青森の酸ケ湯は476cmで、建物の2階まで雪で埋もれてしまうほどです。酸ケ湯は豪雪地帯ですが、5mを超える積雪を観測したことは過去に2~3回しかありません。そんな、5m超えも現実味を帯びてきている状況です。積雪には地層のように、いろいろな層があります。この前の週末に気温が上がって溶けているところに雪が積もるので、その面をきっかけに雪崩が発生する危険性もあります。
広瀬駿気象予報士:上空の寒気は、19日、20日は九州にかかるかどうか、21日も同じくらい強い寒気が流れ込み続け、22日には少し強まりそうです。そして、23日は九州まですっぽり覆われる予想となっています。19日と20日、22日と23日と、3連休まで2回ピークがありそうです。25日になると強い寒気は北へ退いていく見込みです。3連休を一つの区切りとして大雪・寒さに対する備えをしてください。
北風も強まっている状況で、日本海側を中心に雪が続きそうです。1回目のピークは18日夜から19日午前中の見込みです。太平洋側の伊勢湾の方へも風が吹き抜け、普段雪に慣れてない三重や滋賀、岐阜…東海道新幹線や名神高速などが通る交通の要所で雪が積もるおそれがあるため、交通への影響も想定してください。
井上貴博キャスター:今年は、例年以上に寒波が長く日本列島を覆うと考えられるのでしょうか。
広瀬駿気象予報士:しっかり寒気が流れ込んできています。この冬は、ラニーニャ現象に近い状況になっていますが、そういうときは、周期的に寒気が流れ込みやすいです。暖冬のときは、北日本で寒波がとどまりますが、この冬は本州や九州を覆うほどやってきているので、普段、雪に慣れてない西日本でも繰り返し大雪になっています。
良原安美キャスター:寒波での影響は東京にあるのでしょうか。
広瀬駿気象予報士:寒波がきているとき、関東は冬晴れになるので、雪ではなく乾燥の影響があります。ストーブの近くに燃えやすい物を置かないなど、乾燥にも注意が必要です。
井上キャスター:もう一つのポイントは影響が長引くということです。
【大雪警報級の可能性も】・北海道地方18日・東北地方18日~21日・関東甲信地方18日~19日・北陸地方18日~19日、22日~23日・東海地方18日~19日、22日~23日・近畿地方18日~19日・中国地方18日~19日※気象庁18日午後4時現在
北海道地方から中国地方まで、18日は、警報級の可能性があるということです。
広瀬駿気象予報士:可能性は警報50%と注意報50%という状況です。大雪警報が発表されるような状況では、車の立ち往生が発生してもおかしくありません。付近の地域で警報が発表されたら、外出はなるべく控えるようにしてください。3連休にかけて、そういう行動が必要になるかもしれないという呼びかけがされている状況です。
井上キャスター:普段、雪に慣れていない地域でも注意が必要です。大阪、京都、滋賀、三重、愛知などの近畿中部から東海地方にかけて、気象庁から大雪予報が出ています。
広瀬駿気象予報士:交通への影響が大きくなりそうで、「普段慣れてないから注意して」という呼びかけが行われています。北風が吹くときは、京都市内や大阪の北の方で雪が積もりやすい気圧配置なので、普段慣れていない関西エリアでも、18日と19日は注意が必要です。
井上キャスター:青森、福島、新潟など、日本海側の山地の雪が多かった地域では、再び大雪に見舞われるおそれがあります。被災地の石川でも、自宅の除雪作業などが難航しそうであるということです。
元競泳日本代表松田丈志さん:仕事で移動する人も多いでしょうし、3連休で旅行などを予定していた人もいるかもしれません。天気予報をしっかり見て無理のない範囲で行動してほしいです。
広瀬駿気象予報士:地震の被災地や2024年に大雨災害のあった地域など、普段と違うところで身を寄せている人たちがいます。除雪作業をしたくても、自宅の除雪作業ができない状況で、建物の被害につながらないか心配です。
良原キャスター:来週以降暖かくなってきて、急に雪が溶け出すという点も心配です。
広瀬駿気象予報士:一気に雪解けが進むと、川が増水して溢れたり、雪崩が起きたりする危険度は増していくと思います。関東はポカポカ陽気で過ごしやすくなりますが、一気に花粉が飛んでくると思います。今週や来週で、季節感が変わってくるでしょう。雪解けの雪崩・落雪にくれぐれも注意していただきたいですし、今週の寒さで体調を崩さないようにも気をつけてください。
===========<プロフィール>気象予報士広瀬駿さん1989年愛媛県生まれ気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー横浜国立大学大学院で台風を研究松田丈志さん元競泳日本代表五輪4大会出場4個のメダル獲得JOC理事宮崎県出身3児の父