「息子が自作PCを作りたいと必要な物をパソコンで書き出してくれたんだけど、合計10万円以上する…お小遣いは小4だから月400円。お風呂掃除は毎日やってくれているし、洗面台洗ってくれたら20円として、毎日してくれれば、月600円で、合わせて月1000円かぁ…。イイネの数だけ家計から出すか」
【写真】小4息子がリストアップした、パソコン作りに必要な物一覧
小4の息子さんが自分でパソコンを作りたいといってきたことを、「みぃの」さん(@rpOxxcdJ4J50668X)がX(旧Twitter)で報告。作るために必要な物を書き出した一覧をみると、合計10万円以上もかかるとか。お小遣いだけではまかなえないため、ポストの「いいね」の数だけ家計から出すことをみぃのさんが宣言しました。すると…28万件超えのいいねをはじめ、たくさんのアドバイスや応援コメントが殺到するなど話題になりました。
「小4にしてこのPC構成をリストアップし、予算交渉まで持ち込むとは…未来のエンジニア魂を感じるぞ!だが、エンジニアの世界は常に『理想のスペック』vs『現実の予算』の戦い…!この戦いを小4で経験するとは、なかなかの猛者よ!」「中古は上級になってからと思います。トラブルがあった時にどこがトラブっているか突き止めてるうちに折れますから。ここは教育費と思っていい気分で一台組み上げさせてあげてください」「きっとゲーム用ではなく、プログラミングとかがやりたいんだろうなぁという組み合わせですね。中古部品は店によっては保証期間があるものもあります。電源やSSD、光学ドライブ以外は結構中古でもいけますよ。ケースがリストにないので節約してケースも追加かな?我家のASD&ADHD息子は情報学部です」「高いと思いますよね でも 小4でそこまで欲しいんだって気持ちを買ってやらせてみたら高2でサーバー運営まで行った我が家の息子 突き詰める可能性もあるし、好きは特技になります」「ゲーム用ではないスペックですね。自作PC自体に興味があるなら、CPUとかはもっと廉価なものでいい気がします。逆にプログラミング用であれば、ラズベリーパイというシングルボードコンピュータというのもおすすめです。嵩張らないし、比較的安いですし、ハードウェアの勉強にもなります」「欲しいものリストにWindows のライセンスが入っていないようですが、社員割引で買えるので、Windows 11 Home で良ければプレゼントさせて頂きます。ASD大変だと思いますし、自分も日本語書くのめちゃ苦労して、パソコンのお陰で今の自分があるので恩送りとしてよろしければ」
多くの人たちから息子さんの意欲に注目が集まった投稿。パソコンを作りたいという息子さんに対して、どう応えていくのでしょうか。みぃのさんに聞きました。
――今回、投稿されようと思った理由は。
「息子は、年末からずっとパソコンを作りたいと言っていていたんです。何が必要なのか、いくらなのか調べてと言うと自分で調べて、いろいろ話してくれていましたが、私に分かりやすいように書き出してもらいました。何に必要なのかも分かりやすく付け加えてもらい、値段も付けて表にしてもらうと、10万円以上と結構な費用が必要なことが分かりました。
でも、いじめで不登校になり、自信をなくしている息子がやりたいと言っていることは応援したい。興味のあることから勉強にもつなげたかったので、買ってあげたい気持ちもすごくあって…ただ、この物価高で生活費もかさむので躊躇(ちゅうちょ)もするし、息子にも努力をして手に入れてもらいたい気持ちもあったりと、どうしようか迷っていて、費用を出すことを後押ししてもらいたく投稿しました」
――息子さんが書き出してくれた必要な物。内蔵GPUが5万円と一番高くなっておりますが…息子さんはなぜパソコンを作りたいと思ったのでしょうか。
「単に作ってみたいというのが主な理由のようで、ゲームには興味がなく、設定の変更や、OS(オペレーティングシステム)を入れたり、コマンドで修復するのが楽しいようで、今使っているパソコンの調子が悪いので新しいパソコンが欲しいからだそうです」
――リプライでいろいろなアドバイスが寄せられました。参考になったことは。
「たくさんアドバイスをいただいたので、ブックマークして息子に見せると、熱中して読んでいて、電源ユニットは600ワットに変更すると言っています。静電気に気を付けた方がいいとか、こうした方が安くなるとか、性能が良くなるとか、お店で相談しながら購入した方が良いなどのためになるアドバイスがありがたかったです」
――パソコン制作にお金をねん出、これからどうされる予定でしょうか。
「息子は洗面台の掃除はやる気になっているので、合わせて月1000円のお小遣いにして、お年玉の貯金額も確認しようと思っていましたが、思った以上にいいねが付いてしまったので、どうしようか迷っています。自作パソコンを組み立てることは、息子にはすごくいい勉強にもなるし、未来への投資にもなるので、家計からは惜しみなく出してあげようと思っています。
ただ、そんな高額をぽんと出してしまうのも良くない気がしますので、それなりの努力はしてもらいたいなと。また今回の投稿を目にして、応援の気持ちから譲ってくださるとのありがたい申し出が多数ありましたので、息子の要望があれば、ありがたくお受けしたいなと思っています」
――息子さんはどんなお子さんでしょうか。
「発達障害で苦手な事があっても、努力不足と思われたり、からかわれたりいじめられて自信を無くして学校へ行けなくなって、死にたいと言うことも多かったのですが、家で好きなことに取り組んで熱中できる物を見つけ、夢中になることで、得意なことができて自信も付いてきたので、今年は自分でパソコンを作りたいとの目標を聞いた時は、すごく応援してあげたいなと思いました。
発達障害のある子は低覚醒(ぼんやりした脳)なことが多く、その状態で、定型発達に合わせて作られた教育指導要領に沿った授業では、こぼれ落ちてしまい、苦手さを理解されずに努力不足と非難されることでやる気を失ってしまい不登校になる子が多いんです。覚醒を上げるためには興味関心が不可欠なのだと、木村順先生(作業療法士)の感覚統合の講習会で教わり、息子にとっては、自作パソコンに取り組むことは覚醒を上げて、学習にもつながります。得意になれば、自信にもつながるので、全力で応援してあげたいと思っています。
今はパソコンの設定などにしか興味がなく、どんなことができるのかも分かっていない感じなので、自分で作った自作パソコンを楽しみながら使い、さまざまな用途を知って、将来の仕事につながるようなことにも興味をもって取り組んで欲しいなと思っています。今は息子が『ハードオフ』(買取・販売するリユース店)で働くことを楽しみにしています」
最後に…「みぃの」さんからお伝えしたいメッセージです。
「今回の息子の投稿を通じて発達障害や不登校への理解が広がり、支援につながるといいなと期待しています。さらにいじめ問題に対する学校や教育委員会の問題点についても考えるきっかけや、不登校で働けなくて経済的に苦しい家庭が子どもの学びたいことを学ばせてあげられるような支援にもつながるといいなと思っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)