河川敷で捕まえた野生のハトの首をはさみで切断するなどして殺害したとして、動物愛護法違反などの疑いで男が捕まった事件。警察の報道発表やXユーザーらによると、男は「青嶋未来」というアカウント名でX(旧Twitter)に鳥の虐待画像や動画をアップしていたといい、Xユーザーや動物愛護団体らが警視庁に情報提供や通報をしていたことなどから逮捕につながったそうです。
【写真】昨年11月、虐待された鳥を保護しようと、Aさんは試みたが…
男は、川崎市多摩区中野島のタクシー運転手、辻博容疑者(49)。東京都内のペットショップで偽名を使いコザクラインコを購入したとして、今年1月に私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕、さらに2月6日にハトを虐待したとして、動物愛護法違反の容疑で再逮捕となりました。
今回の逮捕を受け、男の虐待画像や動画を監視し、警視庁への情報提供に協力したというXユーザーのAさんは「彼が鳥を虐待していた動画などを他のXユーザーの方々とともにずっとチェックしていました。捕まったことは安心しましたが、彼の罪は許さない。警察にしっかり捜査していただきたい」と話しています。
AさんがXで男のアカウントを見つけたのは、昨年11月。XユーザーのBさんが男の虐待動画を引用リプライし、Aさんも警察に通報をお願いするようリプしたといいます。
「犯人のアカウントを見つけたのは、Bさんの他の人の投稿へのリプがきっかけです。虐待内容は、フィンチ系の鳥のひなをオカメインコと文鳥の成鳥に攻撃させていました。さらに別のXユーザーのCさんが犯人のポストの中にあった川べりの動画に映っていた橋を特定。Bさんがその周囲を散策し、橋の近くにあるペットショップに聞き込みをしたところ、常連客の中にオカメインコをリードで連れていた男がいたことが分かりました。その男は、住所欄に毎回『神奈川県川崎市多摩区中野島』と書いており、ただ毎回番地が違うと店員が言っていたそう。そこで、私がその住所のアパートなどをネットで検索。偶然、犯人のポストの中にある部屋にそっくりな物件が出てきたんです。
またXユーザーのDさんが犯人の過去のポストを提供してくださり、Cさんが調べてきた犯人に関わる一連のことを資料にまとめて、私が住んでいた物件の間取りや内装など犯人の部屋の資料を作成。後日、Xユーザーさんたちが私たちが揃えた証拠や資料を持って警視庁などに出向き、情報提供を行いました」
そしてAさんは1月に入り、少しでも逮捕へとつながる情報を得ようと、男の投稿に対して鳥を引き取ることをコメントしました。
「コザクラインコとキンカチョウをそれぞれ何羽お持ちですか?邪魔だと思うのなら私に譲って下さいキンカチョウ1羽につき5000円コザクラインコ1羽につき30000円相場より高い値段で全部引き取りますそちらに取りに行きますので、その時に現金でお渡ししますフォローするのでDMください」
この時、男からのフォローやDMの返信などはありませんでした。
また警察の報道発表などでは、男の部屋から鳥9羽が押収・保護されたとのことですが、男が殺害したと思われる鳥などについてAさんはこう訴えます。
「私がチェックしたところ、明らかに虐殺されたと思われる動画や画像に出ていた鳥が、ハト4羽、コザクラインコ2羽、フィンチ系2羽、銀バト1羽の計9羽。室内にはナナクサインコやオカメインコ、ジュウシマツ、文鳥など18羽もいました。最近全て見かけなくなったので、少なくとも18羽以上の子たちが殺されたのではないかと思っています。
世間や司法はだまされないでください。犯人は『ハトが懐かないから粛清した』と言っておりますが、『その割には楽しげに虐待した動画を複数上げている』『鳩だけではなく、自分が買って来た鳥も殺害し、その数は少なくとも18羽以上』『懐かないから疎ましく思っていたなら、なぜ救いの手を差し伸べた私に対してそれをあざ笑うようなポストをしたのか?』…しかも、そのポストの中には『俺は鳥を虐殺しているぞ!』と自白するポストもある。もしかして、最初は本当にそうだったかもしれません。しかし、途中から逮捕されるまでは虐殺をすることが快感になっていたのは明らかです。しっかりと犯人のポストを調べた上で厳罰をお願いいたします」
(まいどなニュース特約・東条 青波)