秋篠宮家の長男・悠仁さまが筑波大学生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことが発表された。進学先は東京大学、なんて報道もあったが……。
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【写真20枚】「こんな表情するんだ…!」 文化祭でご学友とはしゃぐ「悠仁さま」
「悠仁親王殿下の進学先は筑波大だろうと思っていましたし、週刊誌の記者などにもそう言ってきました」
と言うのは、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司氏だ。
「悠仁親王殿下はお小さい頃からトンボの研究を続けられ、高校2年生の時には論文までお書きになっています。ですから、大学でもトンボの研究を続けるお考えだったと思います。東大にはトンボを専門としている先生がいないと聞いていますが、筑波大には専門の先生もいれば標本なども豊富だそうです。大事なことは、静かな環境で好きな研究ができるかどうかです。その点、都心から離れた筑波大でしたら、マスコミの目も届きにくくていいのではないでしょうか」
筑波大のキャンパスは、茨城県の南西部に位置するつくば市にある。都心からの距離はおよそ70キロ。確かに自然は豊かだが、どうやって通学するのだろう。
「赤坂御用地の宮邸から自動車や電車で通うことも可能ですが、毎日のことですし悠仁親王殿下にも相当なご負担がかかるでしょう。警備にあたる警察も大変だと思います。筑波大に近い学生寮やマンション、もしくは一軒家にお住まいになったほうがいいのではないかと思っています。当面は宮邸から通い、その後、大学周辺に引っ越されるという可能性もあります」
その場合、警備はどこが行うのか。
「赤坂御用地の宮邸から通われるのではあれば、夜間や土日など御用地内にいらっしゃる時以外は、警備は警視庁の管轄になります。しかし、つくば市にお住まいになると、周辺警備は茨城県警が24時間担うことになります。茨城県警の負担は大きくなりますが、そうなった場合はやっていただくしかありません」
筑波大のOBに聞くと、治安が良くない地域もあったと聞くが、
「思想犯などは別ですが、本職の警察官が守っているのですから、一般的な治安の悪さであれば問題はないでしょう。つくば市にお住まいになる場合、警備の面ではマンションや学生寮よりも一軒家のほうがやりやすいのではないかと思います。そういったことも含めて、これから詳細を詰めていくのでしょう」
皇位継承順位が第2位の悠仁さまが一人暮らしをされることに、心配はないだろうか。
「大学入学などを理由に18歳で一人暮らしを始めるのはごく普通のことです。ご自分で掃除や洗濯をするのもいいご経験です。今上陛下が皇孫(こうそん)時代に英国オックスフォード大学に留学された際は、掃除や洗濯はもちろん隙間風の修理すらいい思い出になっておられるようです。筑波大で様々な経験を積まれ、力強く成長されることを楽しみにしています」
悠仁さまは帝王学を学んでおられないのでは、という声もある。
「何をもって帝王学と言うのかは様々な意見があると思いますが、将来の天皇のための特別な教育機関である東宮御学問所で、天皇にとって必要と思われる教科を初等科卒業後の7年間にわたって一流の教師が講義するということが帝王学なら、これを終了されたのは昭和天皇だけです。上皇陛下は初等科6年生の時に終戦を迎えられ、東宮御学問所ではなく学習院の中等科に進まれました。今上陛下も同様に学習院で学ばれました。戦後、学校では学ばないが天皇として必要なことは、個別にご進講を受けていただくことにしたわけです。作家の半藤一利さんは、悠仁親王殿下が小学6年生の時、『太平洋戦争はなぜ起こったのか?』という講義をしています。ほかにも公表されていないご進講はあるはずですが、必要なものは個別におやりになればいいと思います。もちろん今上陛下や上皇陛下とお話しされる機会をもっと増やされてもいいのではないかとも思っています」
お休みの際などには、皇居の御所や赤坂御用地の仙洞御所を訪ねられたほうがいいというわけだ。むしろ心配なのは、大学を卒業された後のことだという。
「小泉純一郎政権だった今からちょうど20年前の2004年12月、安定的な皇位継承について議論する首相の私的諮問機関として『皇室典範に関する有識者会議』が設置されました。会議は17回にわたって開かれ、05年11月に小泉首相に報告書が提出されました。ところが、翌年の国会で皇室典範改正の議論を始めようとしたところ、紀子妃殿下のご懐妊が発表され、ご出産までは議論をやめようということになりました。そして同年9月、悠仁親王殿下が誕生され、改正議論は棚上げになりました」
現在、悠仁さまは18歳である。
「今年9月に悠仁親王殿下が成年となられたことで、現在、未成年の皇族はいらっしゃいません。宮内庁は悠仁親王殿下がお生まれになった後も、安定的な皇位継承のための方策を検討してほしいと、首相や官房長官に言い続けていると思います。しかし、現在も皇室典範はそのままです。すべてを悠仁親王殿下に託すといった姿勢では、あまりにも悠仁親王殿下がお可哀想です。お相手にも相当なプレッシャーがかかることから、ご結婚もかなり難しいでしょう。女性皇族のご結婚後のご身位についても同じですが、政府や国会は制度の対象になる方々が生身の人間だということを踏まえて親身になって考えていただきたいですね」
デイリー新潮編集部