札幌市の「敬老パス」の見直し案をめぐり、秋元市長は直接市民に理解を求める意見交換会を開きました。高齢者のほか20代の若者も出席、見直し案への理解は深まったのでしょうか。(参加者)「市電とバスが値上がりになりますよね。なのでいま敬老パスが減額されるということは、今まで使っていた人が今までのように使えなくなる」11月30日に札幌市で開かれた敬老パスの意見交換会です。

20代から80代の市民169人が出席。秋元市長が自ら見直しを進める敬老パスについて理解を求めましたが…(秋元市長)「今の利用している方からすると負担は増える、これは私も避けたいですよ、皆さんにそういうお願いをするのは。でも、そういうお願いをしていかなければ、この後続いていかない」(参加者)「(利用額が)削られたら病院にも通院できなくなる」反対意見が相次ぎました。「敬老パス」は、70歳以上の札幌市民が最大1万7千円の自己負担で、地下鉄などを7万円分まで利用できます。少子高齢化が進む中、札幌市は敬老パスの「縮小」を検討しています。2026年度から対象年齢を75歳以上に引き上げ、上限額を4万円まで引き下げる方針です。一方、新たな外出支援として検討されているのが「健康アプリ」。65歳以上の場合、日々の健康管理やウオーキングなどで付与されたポイントを、JRやタクシーでも利用可能な電子マネーに交換できます。しかし、高齢者からはアプリがそもそも使えないとの声も聞かれました。(参加者)「70代過ぎてアプリを使わないでガラケーを使っている方がたくさんいます」一方、出席した20代の男性からは…(参加者)「現役世代の声も聞いてほしいです。なんで少子高齢化が進んだいま(敬老パスを)まだ続けようとするのか」(参加者)「続けているところの方が多いよ」「そうだ!」「君も年取るぞ」「聞いてあげろ!」意見に対し野次が飛ぶ場面も見られました。(秋元市長)「高齢者を敬う気持ちで一定程度若い人も負担してください、その折り合いをどこでつけるか、そのことを新しい制度の中でお願いしている」(参加者)「若い人たちとの対立を煽るようなことになっている。会場でも若い人の意見に高齢者が野次るとかね」(参加者)「もっと何回も時間を長く、いろんなところで説明会をやってほしい。みんな仲良く住むマチにしほしい」立場によって意見が違う敬老パスの見直し案。制度の未来像を探るため、幅広い世代による粘り強い議論が必要です。