バスのドライブレコーダーが、カスハラの一部始終を捉えていました。
【写真を見る】市バス運転手に「お前、降りろ」と無理難題「乗客全員迷惑」のカスハラ一部始終 泥酔客に殴られた運転代行ドライバーは全治2週間
ことし10月、名古屋市の市バスで運転手に向かって怒鳴りつける乗客が。
(男性客)「お前さあ、おい」(別の乗客)「はっきりいって迷惑です」(男性客)「お前触ったな。警察呼ぶぞ」(別の乗客)「乗客全員が迷惑しています」
一体、何があったのか。(名古屋市交通局 猪高営業所・宮田和利副長)「お客様は約30~40人くらい、お立ちのお客さまもみえたくらい。たくさんのお客さまがいた」

トラブルがあったのは名古屋市名東区のバス停。日曜日の朝のことでした。
ことし10月20日、午前9時40分ごろ。数人の客を乗せたバス。一度は出発しようとしますが…慌てた様子で乗り込む男性客が。男性客はそのまま運転手に詰め寄ります。
(男性客)「駆け込み乗車するなって、いつも言っているのお前だろ」(運転手)「言っていません。お客さん、時間遅れているんですよ」
運転手に「いつも駆け込み乗車をするなと言ってくるのはお前か」などと言いがかりをつけます。運転手は「全く身に覚えがない」といいますが…(男性客)「お前降りろや」
あろうことか運転手に「降りろ」と無理難題。(名古屋市交通局 猪高営業所・宮田和利副長)「すごく近くのところに迫ってきて、運転手に言いがかりをつけるといった感じ」
その後、「運転手さんも迷惑しています」「乗客全員が迷惑しています」などと車内にいた他の乗客が男性客を諫めますが…なんと運転手がバスを降りる事態に。その後、乗客も次々とバスを降ります。
(名古屋市交通局 猪高営業所・宮田和利副長)「お客さまは後続車両に乗り換えたので、10分程度バス停でお待ちいただいた。乗務員も心理的ストレスを感じるので、非常に迷惑な行為だなと」市はこうしたカスハラへの対応の「難しさ」を話します。
(名古屋市交通局 猪高営業所・宮田和利副長)「公共交通機関である以上、すぐに乗車禁止というのは難しい」
また、バスのドライバー以外にも“悪質客”による被害が。10月21日の夜、愛知県岡崎市内の飲食店で泥酔した男女を乗せた時でした。
(運転代行ドライバー)「(店を)出てきた瞬間から男女がケンカしていて、あまり関わりたくないなと思って、運転していたが、家に着くくらいで『そこを右』と言われて右に曲がったら、髪の毛を引っ張られ、顔面を十発以上殴られた」さらに…(運転代行ドライバー)「コンビニに車を止めて、車の外に出たら、ボコボコですね」
男性は決死の思いで車の外に逃げ出しますが、男は男性を追いかけて殴り続けたといいます。男性の顔はパンパンに腫れ上がり、全治2週間の診断を受けました。現在も仕事を休んでいます。
(運転代行ドライバ-)「暴言を吐かれるのは、お酒を飲んでいるので常識。顔を殴られたりするのは1年に1、2回」これから迎える忘年会シーズン。酒の席も増えますが…(運転代行ドライバ-)「忙しければ忙しいだけ被害はありますね…」