11月8日は「いい歯の日」。「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせから、日本歯科医師会によって制定されました。そんな記念日にちなみ、花王(東京都中央区)が「全国歯磨き本音調査」を実施。その結果を発表しました。
調査は2024年8月9日から同月13日、全国の20~69歳の男女を対象に、ウェブで実施。計1万人(47都道府県×約213人)から有効回答を得ています。
まず、「歯磨きに対する意識」について聞いたところ、93%の人が「肌や髪と同じくらい、口や歯を健やかに保つことは重要だと思う」と回答しました。しかし一方で、「本当はもっと長い時間(丁寧に)歯磨きをしたいが、毎日実践するのは難しい」と回答した人も74%と多く、理想と現実のギャップが浮き彫りとなりました。
同社によると、「ながら磨き」とは「テレビやスマホを見たり、家事など他の事をしながら、もしくはぼーっと考え事をしながら歯を磨いている状態のこと」を指す言葉です。これを踏まえ、「ながら磨きの頻度」について聞いたところ、「ほぼ毎日」が48%で最多となり、全体の5割近くを占める結果に。次いで「週に数回」(21%)と続き、全体の7割近くが「週1回以上、ながら磨きをしている」ことが分かりました。
世代別で見てみると、「ながら磨き」の頻度が最も高かったのは「20代」(85%)でした。5位の「60代」も52%に上り、2人に1人が「ながら磨き」をしていることに。令和時代のスタンダードな習慣となっていることがうかがえます。
「ながら磨き」にかける時間についても聞くと、朝は「3.8分」、夜は「5.1分」となり、一般的な歯磨き時間よりも長めの傾向であることも明らかに。中には「30分以上」と回答した“猛者”もいたということです。
では、なぜ「ながら磨き」をするのでしょうか。その理由について聞いた結果、1位となったのは「歯磨きの間は手持ち無沙汰だと思う」(35%)でした。次いで「歯磨きだけを行うのは時間がもったいないと思う」(34%)と続いています。
「ながら磨き」中の行動で最も多かったのは「テレビやスマホの視聴」。20代の1位は「スマホを見ながら」(53%)、60代の1位は「テレビを見ながら」(45%)となり、世代ごとの特徴が色濃く出る結果となりました。
なお、都道府県別の「ながら磨き」の実施率(週1回以上)では、1位となったのが「山形県」(75.3%)。次いで2位「佐賀県」(75.2%)、3位「鳥取県」(74.9%)と続いています。
調査結果を受けて、熊本県歯科医師会の高水間奨さん(※「高」は「はしごだか」が正式表記)は、「予想以上に、どの年代にも『ながら磨き』をしている人が多いと思いました」「歯磨きをしながらテレビを見たり、スマートフォンを使ったりすることで、時間を効率的に使えます。ただし、磨き残しがないようにしっかり磨くことが大事です」とコメント。
さらに、「実際、私たち歯科医療従事者からみても、指導した歯磨きのやり方をきちんと実践できている人は少ないと感じますし、毎日正しい歯磨きを実践するのはかなり大変なことです」「いつもの磨き方でもサポートしてくれる、歯垢を落としやすく、虫歯や歯周病予防効果があるオーラルケア製品を選んでいただきたいと思います」と呼びかけています。
あなたも普段「ながら磨き」していませんか?