斎藤元彦・兵庫県知事(46)に対する告発文書を作成し、7月7日に命を絶った職員X氏が県側の求めに応じ、追加の通報文書を提出していたことが「週刊文春」の取材で分かった。
【画像】「スタッフがやってくれるでしょ」斎藤知事が”揶揄”した嵐のメンバー
兵庫県の斎藤元彦知事 時事通信社
斎藤知事といえば、告発文書に記されていたパワハラ疑惑やおねだり疑惑が報じられ、百条委員会での答弁も話題となった。「週刊文春」はこれまで告発した職員X氏に対する“告発者潰し“と言える県側の言動を音声や証拠文書とともに報じている。

さらに今回「週刊文春」は、X氏が正式な手続きにのっとって公益通報窓口に提出した公益通報文書、および県の求めに応じて4月22日に提出した追加情報が記された内部文書を入手した。
入手した“追加通報文書”の一部を紹介すると、2022年秋に県が公開した広報用の映像をめぐり、以下のような情報を提供している。
〈令和4年10月下旬、西播磨県民局管内で収録されたサンテレビ番組の県広報用編集映像で知事が嵐の相葉(雅紀)氏を揶揄している場面が放映され、嵐ファンからクレームが殺到したことがありました。その際、広報広聴課の関係職員は知事から何度も叱責されたとのことです。X(本人)も関係者として、その状況は課員から直接聞きました〉

この映像は斎藤知事が屋外で料理に挑戦する内容で、知事が番組途中で「相葉(雅紀)君の番組やったら、これでストップかかって、後はスタッフがやってくれるでしょ」と発言。動画公開後、相葉さんが出演するテレビ朝日の料理番組「相葉マナブ」をからかっているとして、嵐のファンなどから苦情が寄せられた。それを受け自身の発言であるにもかかわらず、県職員を何度も叱り、“八つ当たり”をしたというものだ(県は動画を削除)。
X氏が提供した情報には斎藤氏の数々の問題行動が記され、7月12日にX氏の遺族が県議会設置の百条委員会に提出した陳述書に記載されている内容との類似も多く、証人尋問で明らかになった関係者の証言と一致するものもある。

「具体的な情報源の固有名詞まで多数記されるなど、それなりの信憑性が認められる文書を、4月22日の時点でX氏自身が県に対して伝えていたという事実が重要です。にもかかわらず、知事らはその後も公の場で一貫して『噂話に過ぎない』『事実無根』と断じ続けてきたのです」(県職員)
では一体、“追加通報文書”にはどのような内容が記されていたのか。現在配信中の「週刊文春 電子版」では、降車位置をめぐり怒鳴り散らした事案や職員の“選挙応援”などその内容の詳細を報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)