品川-名古屋間を最短40分で結ぶ予定のリニア中央新幹線。岐阜県では、リニア新幹線の工事が原因とみられる地盤沈下が確認されていて、JR東海が住宅への調査を始めました。
【写真を見る】リニア新幹線の工事で「地盤沈下」か 住宅敷地の土が沈み込み扉も閉まりづらく…住人「被害少なくしてほしい」JR東海の家屋調査始まる【news23】
岐阜県・瑞浪市大湫町(おおくてちょう)。田畑が広がるのどかな町ですが、18日は、いつもと様子が違いました。
住民を訪ねていたのは、JR東海の調査員。壁の高さや、家の傾きなどを調べています。住人の大内さんに話を聞くと…
大内延男さん(83)「ここがものすごく(地盤)沈下しちゃった。15センチくらい。基礎(の高さ)まであったけど」土が沈み込み、コンクリートの側面がむき出しに。さらに…
大内さん「(扉の)閉まりがちょっと歪んだか知らないけど、こっちへ傾いている」記者「確かにちょっと歪んでいる感じが…」大内さん「そうでしょ。特にひどくなりだしたね、7月ごろから徐々に」2024年7月ごろから2センチほど敷地の片側が下がり、扉が閉まりにくくなっているといいます。原因とみられるのが…
時速約500キロで走るリニア中央新幹線。当初の2027年の開業は断念。開業は早くても2034年以降の見通しです。
品川・名古屋間を最短40分で結ぶ「夢の超特急」として、10年前から順次、工事が始まっていますが、トンネルの掘削が行われている瑞浪市では、異変が。
ひび割れた土の上に薄く水が張ったため池。一時、完全に干上がった状態だったといいます。住民「(これまでは)水が張っていて濁った水が多かったので底が見える状況ではなかった」さらに、複数の井戸の水位が下がっているのが見つかりました。
瑞浪市民「底が見えるかな。一番(水が)多いときで、この下の1メートル10センチくらいのところに水面があった」この家では井戸水の大半が枯れてしまう事態に。記者「2週間近く、この状態?」瑞浪市民「そうだね」すでにJR東海が対策工事を行い、水道は利用できる状態になりましたが…
瑞浪市民「(井戸水は)夏場に仕事が終わって手を洗うと冷たい水だった」JR東海が行った調査では、市内で井戸などの水位低下が14か所、地盤沈下が12か所確認されています。JR東海は19日、地表面の測定結果などに関する2回目の住民説明会を開くということです。住宅の敷地が地盤沈下した大内さんは不安を隠せません。
大内さん「反対しても、もう確定していることだから…被害を少なくしてほしい。こっちで『取り止めよう』と言ったって止まるものじゃない」