兵庫県の斎藤元彦知事(46)の「パワハラ疑惑」等を告発する文書を調査している百条委員会では、23日に県職員6人の証人尋問が行われ、出頭した職員から「公益通報窓口の調査結果が出るまで、(元幹部の)処分を待つべきと上司に進言した」と証言があったことが百条委の会見で明らかにされました。会見ではさらに、「知事はその意見に従うかのような動きを見せたそうです。しかし、(県が)弁護士の意見を聞いたところ、処分と公益通報は分けて考えるべき」となったなり、結果的に県は告発文書を公益通報として扱わず、文書を作成した元幹部を懲戒処分としました。

いっぽう関係者によりますと、この期間にあたる今年4月、斎藤知事が当時の総務部長を通じて、「公益通報の調査結果を待たず、元幹部を処分できないか」と人事当局に打診していたという証言も出ていたことがわかりました。さらに「『懲戒処分すれば風向きが変わるのでは』と知事が言っていると聞いた」という証言もあったということです。◆知事が登庁して取材対応斎藤知事は26日午前10時ごろ、登庁の際に取材対応しました。公益通報の調査結果を待たずに処分を打診した話について、斎藤知事が指示したのか、と聞くと、「公益通報、懲戒処分、先日記者会見で説明した通り。県として、適切に対応した。」とこれまでと同じ主張を繰り返しました。また、「風向きが変わるのでは」といった発言をしたかどうか聞くと、斎藤知事は、「発言はない。懲戒処分は適切に対応した。」と否定しました。今月30日に公開で行われる予定の斎藤知事の証人尋問では、処分の経緯をめぐるやりとりにも注目が集まります。