昨今、保育士不足が嘆かれている。厚生労働省によると2022年10月の保育士の有効求人倍率は2.49倍。全職種で1.35倍に対して、保育士はそれより1.14倍も高く深刻な人材不足に陥っているのだ。子どもを預かる大きな責任があるにもかかわらず低賃金で、少子化対策による急速な保育施設の増加も原因と言われている。
親の就労状況を問わず保育施設を利用できる「こども誰でも通園制度」が2026年に全国で実施されることにより、人材不足に拍車がかかる形だ。これを受けて、こども家庭庁が保育士不足の実態を把握するため、初の全国調査へ乗り出す。まず保育士の勤務状況を調べ、人手不足のありさまを知り、人材確保のための対策を現場に尋ねる方向だ。
すでに対策は講じられているものの、保育士不足が解消するまで相当な時間がかかるだろう。経済的に苦しくても真摯に子どもと向き合う保育士もいる一方で、働くチャンスさえあれば少しでも収入を得ようとする、こんな保育士もいるようだ。
東京都在住の紬さん(仮名・25歳)は、不倫相手のおかげで一時的に収入を増やすも最終的にイタい目に遭ったそう。彼女は落ち着いた雰囲気の女性で、吉岡里帆さんに似ている。
「私はあるクレーマーママ(美香さん・仮名・30歳)に目をつけられていました。例えば、暑い日に『うちの子の席をクーラーの風が当たる涼しい場所に移動して』と一方的な要求をしてくるのです。
すぐに『お子さんの体調が心配なのはわかりますが、一人だけ特別扱いするわけにはいきません』と答えると、彼女は『担任を変えてください』と園長に直談判する始末。こんなことが一度や二度ではなくて……。美香さんは何かにつけて私に言いがかりをつけてくるのです」
ストレスを抱える一方で、お給料の手取り額は低かった。節約しても毎月生活はギリギリで、貯金なんて到底無理。そのため幾度となく「仕事を辞めたい」と思ったものの、他に職歴もなく転職したところで高収入は見込めないと考えていたという。
そんなある日、美香さんの夫(優太さん・仮名・40歳)が「複数の飲食店を経営している」という噂を耳にして「彼女は何不自由なく暮らしているんだ」と嫉妬心が湧いた。
紬さんは以前から、送り迎えなどで優太さんとも関わる機会があった。優太さんは15歳も歳上ながら、いつも丁寧な口調で柔らかい物腰で紬さんに接していた。見た目にも清潔感があり、紬さんは夫婦でこうも性格が違うのか、と思いながら「いつか結婚をするなら、こんなタイプの人がいいのかもしれない」と思っていたという。
はじめは、あくまで保護者と保育士の関係のなかでの好意だったが、美香さんへのストレスと嫉妬心が膨らんでいくなかで、良からぬ方向へと変わっていった。
「優太さんは時々娘(日葵さん・仮名・4歳)の送り迎えをしています。そのたび『日葵ちゃんが、いつもパパはお仕事を頑張っていると言っているんですよ』『私も仕事ができる男性って素敵だと思います』ととにかく彼を褒めちぎって。
顔を覚えてもらってから『奥さまに強く当たられて困っているんです』と優太さんの同情を引くふりをしてアプローチ。すると彼も『わがまま放題な妻に手を焼いています』と不満げな表情を見せました」
ここぞとばかりに「何か困ったことがあったら、私が相談に乗りますよ」と彼の耳元でささやくとLINEのIDを書いたメモをそっと手渡したという。その後、優太さんと頻繁に連絡を取り合うようになり、やがて二人は不倫関係に陥った。
「私は、給料日前になると『お金がない』と口癖のように言っていました。それを聞いた優太さんが『俺の店で働いてみる? 』と誘ってくれて。
保育園で副業は禁止されているけれど『夜の居酒屋で働けば、子育て中のママが来店する確率も低いので誰にもバレないのではないか』という考えに至ったのです。加えて、妻の美香さんは彼の経営するカフェで昼間働いているので、居酒屋なら彼女に鉢合わせする心配もありません。
そんな訳で、私は二つ返事でこの仕事を引き受けることにしました」
昼間は保育士、夜は居酒屋で働いて、仕事終わりに優太さんとホテルでカラダを重ねる日々。生活が楽になったことで精神的にも余裕が出てきた頃、思わぬ展開が待ち受けていた。
「ある日、居酒屋に着くと優太さんに呼び止められました。何事かと思ったら『妻に不倫がバレた』『もう君とは一緒にいられない』と突然別れを告げられて。
さらに『不倫関係も終わりだから、今日で居酒屋のバイトも辞めて』と突き放されることに。私は頭が真っ白になってしまって……。ただその場に立ちすくむしかありませんでした」
急な展開に気持ちが追いつかない紬さん。だが、悪い流れはここで留まることはなかった。
記事後編は「『高収入・ハイスペ』保護者との不倫がバレた25歳保育士…待ち受けていた『過酷な制裁』」から。
25歳保育士が嫉妬心から「高収入・ハイスペ」保護者と不倫…幸せは束の間、訪れた「悲惨な結末」