「推し活」という言葉が一般的になり、アニメや漫画のキャラクターからアイドル、YouTuberまでがその対象になっている。
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かつては“オタク”と呼ばれる一部の熱狂的なファンの楽しみ方だったが、今では学校生活や仕事の傍ら、カジュアルに“趣味”として推し活にいそしむのが普通のことだという。
■小学生にも浸透している「推し活」
「小学生白書」(学研教育総合研究所)によれば小学生の53%が「推しがいる」と回答しているが、小学生が推し活をするメリット・デメリットについて「東洋経済education×ICT編集部」が配信している。
記事では、心理学が専門の愛知淑徳大学の久保南海子教授がその“ポジティブな影響”として、「自分の世界が広がる」「自分の資源を分け与える喜びを感じられる」「『第三の居場所』ができる」と解説。一方で“ネガティブな影響”としては、浪費や同担(同じ推し担当)拒否、自分の無力感などさまざまな形で「推し疲れ」があるという。
また、「親は子どもの推し活の状況を知っておくとよい」として、「推し活がお小遣いの範囲を超えていれば、話し合いをしたり、SNSで知らない人とつながるリスクを伝える」などすべきだという。そして、親が子どもの推す対象を選別してしまうのは好ましくなく、「子どもが推している対象については自由にさせて」と話している。
しかしながら、その対象が、アニメやアイドル、YouTuberなど一見、一般的な“エンタメ”に思えても、一部で、小中学生を食い物にするタチの悪いヤカラがいる場合もあるから注意が必要だ。
■少女を狙う「メンズ地下アイドル」
「推し活文化の浸透と共に、『メンズ地下アイドル』にハマる小中学生が増えています。少女たちがチェキなどに万単位のお金を落としていてゾッとしますよ」と話すのは、歌舞伎町など繁華街の事情に詳しいライターの仙頭正教氏だ。
「今年初め、歌舞伎町で女性客に対し過激なサービスを展開していたメンズコンカフェが摘発されましたが、今でもメンズ地下アイドルとメンズコンカフェを同時に運営しているところは多いです。渋谷、新宿、池袋などの繁華街に数十軒は存在すると思います。彼らは休日ともなると、渋谷のハチ公像周辺や歌舞伎町のトー横周辺でライブのチラシを配っています。未成年がターゲットなので入場料は無料で、開催も昼間。客は10人もいませんね。それでライブ会場では目線を送ったりして、何枚もチェキを買わせるんです」
悪質なグループとなると、チェキの購入枚数によって、ハグやキス、デートなど、より過激なサービスを提供している。さらに、その場でLINEを交換し、再びライブや店に誘導するなど“恋人営業”をして未成年からお金を巻き上げていくのだという。
「メンチカたちの手練手管はまさに“未成年向けのホスト”のようです。年端もいかない少女たちは、自分の推しにハマって抜けられなくなり、ウリを始めてしまう例もあります。最初は普通のアイドル好きだった少女たちが、どんどんマニアックなアイドルの方向にハマっていくんです。ある大手事務所と関係のある有名プロデューサーも、こうした商売に手を出していますね」
極端な例ではあるが、推し活もエスカレートしてその対象を見誤れば、こうした悪いオトナの食い物にされることもあるので注意が必要だ。
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