仲睦まじい様子で写真に収まる3人の男女。撮影されるのを恥ずかしがっているのか、迷彩柄の服を着た女は持っていた電子タバコで顔を隠すように構える。一方、男らは構わずに笑顔を振りまいている……。
一見すると何気ないスナップ写真にも思える一枚だが、この写真がいま、旭川警察を揺るがす大問題へと発展している。
発端となったのは、今年4月に北海道旭川市で起こった女子高生殺人事件だった。
道警は今年6月、殺人容疑で無職の内田梨瑚(りこ)被告(21歳)と19歳の女を逮捕。今月3日には殺人など罪で内田被告を起訴、19歳の女は家庭裁判所へと送致された。
「内田被告らは今年4月、SNS上でのトラブルから道内に住む17歳の女子高生を呼び出し、車に監禁した上で殴る蹴るの暴行。さらに神居古潭の欄干に座らせ、『落ちろ』『死ねや』と脅し、転落させた疑いがもたれています。
破損された状態で見つかった内田被告のスマートフォンには、女子高生が裸で土下座をさせられている様子が残っていたそうです。内田被告は逮捕時の取り調べに対し、『女子高生が橋から落ちたかどうかは知らない。置いてきただけ』と説明し、容疑を否認していました」(地元紙記者)
まさに鬼畜の所業とも呼べる今回の犯行劇。この捜査に当たったのが道警本部と旭川中央署だった。
「事件捜査を主導していたのは道警本部の捜査一課ですが、捜査本部は旭川中央署に設置。本部と所轄の両面で捜査に当たっていました」(同前)
事件の捜査にあたった旭川中央署だが、その一方で内田被告と署員らには決して表には出せない「接点」があった。
その内情を詳しく話すのは、一般社団法人「青母連」旭川支部長で、NPO法人「北海道駆け込み相談所」代表の岸本和幸氏(51歳)だ。岸本氏は地元・旭川で「SP探偵事務所」の代表としても活動しており、その調査のなかで旭川中央署の刑事たちと内田被告の「不適切な関係」が判明したという(以下カッコ内は岸本氏)。
「私の調べでは今年1月頃、旭川市内のカラオケスナックで、旭川中央署刑事二課組織犯罪対策係のX警部補、同課のY警部補、Z刑事ら複数の署員が内田被告らとお酒が飲んでいたことが判明しました。当日、X警部補らは二課の新年会を開いていたそうで、途中からは一課に所属する署員たちも合流。最終的に数十人規模での飲み会となっていたようです。
その飲み会を開いていたスナックに内田被告が友人とともにたまたま来店し、その場でX警部補らと意気投合。内田被告は周囲から『リコ』と呼ばれていたそうです」
その様子こそ冒頭で触れた写真である。迷彩服を着た電子タバコを持っている女が内田被告、中央がZ刑事、そして右端がX警部補だという。
「このときに内田被告とX警部補らは仲良くなり、その後も同様に旭川市内で飲み会を開いていたこともわかっています。飲み会は一度だけではなかったのです」
「週刊文春」7月11日号では、内田被告と不倫関係にあったとも報じられたX警部補。内田被告は事件前から旭川界隈で「札付きのワル」として知られていただけに、X警部補の行動はあまりに不用意と言える。
だが、問題はこれだけにとどまらない。
「X警部補らとの飲み会には、内田被告だけでなく彼女の『友人』が参加することもありました。そして、その『友人』は未成年だった。しかも私の調査ではX警部補は、別の事件の捜査でその『友人』から聴取をしたことがあった。聴取では年齢なども確認しますから、X警部補は当然、未成年だということを事前に把握していた。
つまり、X警部補らは相手が未成年だとわかっていながらも飲酒を止めなかったわけです。『たまたま飲んでいただけで、年齢は知らなかった』ではすまされない話です」
さらに岸本氏によると、署員らは関係者に対して口止め工作まで行っていたという。
「警察内でもX警部補らの行動が問題視され、監察が調査を開始。それを知ったX警部補の同僚が、周囲に自分たちが未成年と飲んでいたことを口外しないようにお願いしていた。つまり口止め工作を行った疑惑があります。もし事実であれば警察としてあるまじき行為です」
はたして、内田被告との関係、そして未成年との飲酒や隠ぺい工作は事実なのか。道警本部に取材を申し込んだが、
「個別具体的内容については、回答を差し引かえます」
と回答しなかった。
岸本氏が言う。
「旭川警察の中でも頑張って職務に当たってくれている署員の方がいるのも知っています。市民はもちろん、そういった警察官たちのためにも旭川署は襟を正して欲しいです」
内田被告の逮捕によって表面化した旭川警察署員による問題の数々。地に堕ちた信頼を取り戻せる日はくるのだろうか。
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