全国的に熱中症警戒アラートも発表…。毎年、熱中症での死亡事故が頻繁に報道される日本の夏。やっかいな熱中症トラブルを回避するためにどう対策すればいいのか? 筑波大学准教授で運動生理学的研究の専門家である藤井直人氏の新刊『猛暑対策BOOK:日本のヤバい夏を最新科学の力で乗り切る!』(小学館)より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
【熱中症問題】いますぐ病院に行くべき人・まだ大丈夫な人
どうすれば熱中症を回避できるのか? 写真はイメージ getty
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まるで災害級の暑さともいわれた2018年をピークに、近年は熱中症で救急搬送される患者数も増加しています。
そもそも熱中症とは、特定のひとつの症状を表す疾患ではなく、「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」、つまり、暑さを原因とするさまざまな症状のことを指します。

軽い症状であっても、患者側の条件によって容体が急変することもあるため、正しい知識を持ち、適切な予防・対処法を身につけておくことが大事です。
日本では近年、下の図のように熱中症による救急搬送者数が増加し、毎年夏になると熱中症での死亡事故が頻繁に報道されています。しかし、熱中症を正しく理解し、適切に対応すれば命を落とすことはありません。

熱中症かどうかの判断は、環境要因(気温、湿度、日射量)に加えて、運動をしていたのかや、運動をしていた場合、その強度や時間はどうであったかも考慮する必要があります。
熱中症になりやすい人や、熱中症が起こりやすい場面を知っておくことで、事前に対策しやすくなります。すべての情報を網羅しているわけではないですが、いくつか重要な情報を紹介します。
(1)スポーツや外での労働中に多い
運動時には産熱量の増加により体温が上がりやすくなります。場合によっては、ジョギングなどのラクな運動でも高体温に陥ることがあります。カラダを鍛えているアスリートは高い強度での長時間運動が可能で、かつ深部体温が高くても運動できてしまうため、気づかないうちに無理をして高体温になる場合もあります。
(2)運動不足の人
運動トレーニングにより暑熱耐性が向上します。逆に、運動不足になると暑熱耐性が低下し熱中症になりやすくなります。
(3)季節の変わり目に注意
季節の変わり目は、まだカラダが暑さに適応できておらず、急激に気温が上昇すると、熱中症が起こりやすくなります。
(4)高齢者や病気の人
高齢者や病気の人は、暑さやのどの渇きを感じにくいので、尿の色や体重減少を参考に、のどが渇いていなくても飲水して脱水を防ぎます。
〈《東京は今年一番の暑さ》熱中症になっても「すぐに水を飲んではいけない」理由とは…? プロが教える正しい対策3選〉へ続く
(藤井 直人/Webオリジナル(外部転載))