X(旧Twitter)で子育ての思わずクスっとしてしまう出来事を日々ポストし、話題を集めている「ひみつのうつ子ちゃん」(@utuko_chan)。「いいね」1万超えも多数! 人気の秘密は、「あるあるの共感力」です。そんな話題のポストでは書ききれなかったエピソードをうつ子ちゃん自身が執筆。
今回は、公園で3歳の息子さんについて「ひとりっ子なの?」と声をかけられたおばあ様の発言に、ドキッとして、心がギュッとなったうつ子ちゃんのモヤモヤ体験をご紹介。Xでも様々な声が上がったエピソードです。
朝の連続ドラマ『虎に翼』では、働く母親と子育てについて描かれていて、毎朝息子の登園準備をしながら、我がことのようにドキドキしながら見ています。もう少し大きくなるとこんな悩みも出てくるのかな……。寅ちゃんの時代は、戦後すぐで、働く女性への理解は今以上に少なかったはず……。でも、今の時代も子育てと仕事のバランスは難しいですよね。
実際、私は出産前まで教師をしていましたが、妊娠・出産を機に仕事をやめました。教師という仕事は想像以上に、気持ちも時間も生徒に向き合うために使うことが多く、あまり器用な方ではない私は、どちらもおろそかになってしまう気がして、思い切ってやめる決心をしました。教師という仕事にやりがいも感じていましたし、同僚の先輩でも子育てしながら教師を続けている方もいました。でも、出産後の自分の子育て対応を冷静に見て、「やっぱりやめてよかったんだな……」と思っています。
でも、仕事をやめてちょっと残念だったな、と思うのが、「社会とのつながり」が希薄になってしまったことです。ママ友や夫、実家の家族とはコンスタントに連絡を取っていても、日々向き合うのは、我が子ばかり。大切なことではありますが、慣れない育児に追われていると、新聞やニュースにも目を通す時間もなく、「世の中で何が起こっているのかすら知らなかった……」、なんてこともありました。「このまま社会から置いていかれてしまうのかも……」なんて不安になることも正直ありました。
でも、逆により一層繋がりが深まる人たちがいます。そう、それは「お年寄りの方たち」です。私ひとりで道を歩いていても特に声をかけられることはないけれど、赤ちゃん連れだと色々な方から声をかけられることが増えました。特に子どもが生まれたばかりの頃は、夫以外の大人と話すこともほとんどなくなるため、ご近所さんやスーパーのレジの店員さん、X(旧Twitter)の仲間たち、そして通りすがりのお年寄りの方たちとのやりとりに救われる日々も多くありました。今振り返ると、感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ、一部のお年寄りの方たちからは「母乳?」「ひとりっ子?」と聞かれることも多々ありました。産前にネット上でよく見かけていた話題ですが「そんなにみんな同じこと聞くの? ホントに?」とも思っていましたが、実際赤ちゃんを連れて散歩していると、かなりの確率できかれました。想像の2倍は多かったです(笑)。
「母乳?」に関しても、「ひとりっ子?」に関しても、色んな事情を抱えたママさんもいらっしゃることから、やはりデリケートな質問になってしまう場合もありますよね。今回はそんなとあるお年寄りの方からの「ひとりっ子?」質問に関して白目をきかけたエピソードをお届けしたいと思います。
それは、夫と3歳の息子と公園で遊んでいた日のことでした。公園には私たち以外に、数名の小学生と2人のおばあ様がいらっしゃいました。しばらくするとおしゃべりに興じていたおばあ様方は解散され、おひとりは帰宅し、もうひとりのおばあ様は公園内を散歩し始めたのです。すると、こちらに向かってこう声をかけてこられました。「ひとりっ子なの?」と……。
「あ、いつものパターンね……」と思いながら、私は「はい。この子ひとりなんです」と笑顔で答えると、おばあ様が続けて言いました。「あらそう…、もうひとり産まなきゃねぇ」と。私は今までの経験から、「2人目、頑張るのよ!」みたいなことを言われるのだろうと、なんとなく予想はついていました。いつもなら「そうですよね~、頑張ります~」とお笑い芸人のムーディー勝山さんになって、右から左へ受け流して済ませるのです。が、なんとなくこの日は「うちはもうこの子だけって決めているんです~」と言ってみたのです。
すると、おばあ様は「ひとりっ子はねぇ、競争心が生まれないの。分けあう心も学べない。だからきょうだいは必要なのよ」とおっしゃいました……!!
「はて…!? そこまで言ってしまうのですか!? おばあ様ぁぁぁあ!」と、寅ちゃんのごとく、頭が「はて!?」な気持ちでいっぱいになりながらも、憤りをグッと飲み込みました。「はて!? そんなことないですよね? しかも、ひとりっ子かそうではないかには様々な事情もあるわけで、他の方からいろいろ言われる筋合いはありません!」とおばあ様に、キッパリ言い返そうと思えばできましたが、きっと言い返しても彼女の考えは変わらないし、ますます「はて!?」な気持ちが増幅しそうなので、早々に切り上げることにしました。
ちょっと腹を立てたせいか、急にお腹が空いてきてしまい、夕食は「しゃぶしゃぶの食べ放題」に行こうと思い立ちました。いつも子守りを手伝ってくれているじぃじ(私の実父)も誘いました。おいしいお肉を息子と競争したり、分け合いながらたんまりいただいたのですが、公園でのおばあ様の発言は、ちょっと衝撃でなかなか消化できませんでした。
この日の出来事を後日友人に話をしたところ、やはり街中でお年寄りの方から「ひとりっ子なの?」と声をかけられることは多いとのことでした。ふたりの男の子がいる友人に関しては「次は、女の子産まなきゃね」と声をかけられたこともあるそうで「もう勘弁してくれ~!」と笑っていました。女の子のママでは「男の子がいないとおうちが安心しないでしょ」なんて、いつの時代!? な発言をされたことがある人もいました。本当に、人の数だけ価値観があるんだな……と思わずにはいられませんでした。
この公園で出会ったおばあ様のおっしゃることは、「あの方のご意見」として、やっぱり聞き流すことにしました。いろんな考え方がある、でも、おばあ様の考え方に私の人生が左右されることはないと思えるようになりました。言われたときはドキッとして、心もギュッとなったのですが、ひとりっ子で幸せだったと思う人も、きょうだいがいて幸せだったと思う人も、色んな人がいると思います。大事なことは自分が何を感じて、何を考えてどう生きていくか、どう子育てをしていきたいか、こんなことを大切にしていきたいなぁと思いました。
ちなみにひとりっ子で育った夫に「ひとりっ子で良かった? きょうだいがいた方が良かったと?」と聞いてみました。夫は「ひとりっ子で良かったと思う。きょうだいがいたら良かったかな?と感じたことはあるけれど、実際いないし、考えても仕方ないし。でも、ひとりっ子で良かったなと思えるような人生を今送っていると思う」と答えてくれました。夫の言葉を聞いて、「ひとりっ子であろうが、きょうだいがいようがいまいが本当に関係はないのでは?」と気づかされました。自分が歩んできた人生を正解に導けるのは自分自身だなと。他の誰でもなく、自分の考えと行動だなと。
何はともあれ、将来、息子の足でまといにならないように、気力と体力と財力をつけながら、元気いっぱいのおばあちゃんを目指したいと思います! ワッショーイ!
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