成人年齢を引き下げた民法改正に伴う三重県伊賀市の2度目の18歳成人式が4日、市文化会館(西明寺)であり、561人の新成人が参加した。岡本栄市長は18歳成人式の1回目の開催以降「定着した」との認識を示しているが、「定着」に疑問を持つ参加者もいた。
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市教育委員会によると、対象者は2005年4月2日~06年4月1日生まれで一部19歳を含む。参加率は75・10%だった。23年の初めての18歳成人式より4・27ポイント下がった。
この日の伊賀市の中心部の気温は今年最高の29・3度と7月上旬並みになり、市は冷房を効かせ、職員らは「館内は涼しいですよ」と入場を促していた。振り袖で玄関前にいた大学1年の橋本もえさん(18)は「首の辺りがあつい」と話し、成人と18歳成人式については「実感がありません。(3月に高校を卒業したばかりで)懐かしさがほしい」と語った。スーツ姿の同、北森太樹さん(18)は「成人した感じがしないけど、親に頼れなくなる」と語ったが、18歳成人式は「もの足りない。定着は厳しいと思う」と話した。岡本市長はあいさつで「皆さんは日本でも数少ない貴重な体験をしている」と18歳成人式の実施を自賛し、式後の取材に「20歳の成人式を続けるのは後ろ向き」と持論を話した。
式で新成人を代表して同、中野綾花さん(18)が「誓いのことば」を述べた。式のイベントは中野さんを委員長とする新成人5人の実行委員会が企画。中野さんが前部長だった三重高校ダンス部の1~3年生約50人が舞台でダンスパフォーマンスを披露し、参加型ダンスでは新成人は座席で各自のスマートフォンの明かりを揺らした。伊賀市出身の俳優、椎名桔平さんのメッセージ文も紹介された。【大西康裕】