4月1日に日本赤十字社に入社された愛子さまが、熱心な仕事ぶりで周囲を驚かせている。当初の想定では勤務は週2、3回程度だったが、実際にはほぼ毎日出勤されており、その合間には公務もこなす“ダブルワーク”状態。なぜこれほどまでに仕事に打ち込むのか。【前後編の後編。前編を読む】
【写真】濃紺のスカートスーツ姿の愛子さま。他、アクセサリーを付けられた愛子さま、水色セットアップ姿、スキーウエア姿の雅子さまも
現在、安定的な皇位継承と皇族数の確保の方策として、「女性皇族は結婚後も皇族の身分を保持する」という案が検討されている。
「自民党は間もなく衆参両院の議長に報告する段取りを進めています。各党の意見調整も進んでいる。早ければ今秋の臨時国会で、結論がまとまる可能性もあります」(皇室記者)
遅々として進まなかった議論が突如進展した背景には、愛子さまのご卒業の影響があったようだ。
「ご卒業後に発表された文書で、愛子さまは結婚の理想の時期については濁されました。とはいえ、すでにお相手が想定されていないとも限りません。実際に、眞子さんは在学中の交際相手と結婚に至りました。愛子さまが結婚によって皇室を離れることになれば、いよいよ取り返しのつかないことになります。その前に方策を定めるのは、政治側に課された最低限のノルマでもありました」(前出・皇室記者)
ようやく議論が進み始めたとはいえ、結論に至るまでには相当な時間がかかるとみる向きもある。
「結婚相手やその子供の身分はどうなるのか、一家はどこで暮らすのか、生活費はどのように賄うのかなど、細部を詰める必要があります。また、女性皇族が結婚後も皇族の身分であることに反対する政治グループとの議論の決着点も定まっていない状況です。皇室典範改正には、越えるべきハードルはまだ多いのです」(前出・皇室記者)
ご卒業によって“いつ結婚されてもおかしくない”という状況になったことは議論を進めるきっかけにはなったが、まだ見通しが立たないというのが現実のようだ。
「折に触れて『両陛下をお支えしたい』と口にされている愛子さまは、眞子さんのような“強硬な結婚”はされないでしょう。結論が出るまでは静観されるのではないでしょうか。言い換えれば、お相手の有無にかかわらず、現段階では愛子さまは結婚という選択肢を選ぶことができない状況にあります。ご自身の人生を、ご自身だけでは決めることができない。そこには想像を絶するジレンマがあるでしょう」(宮内庁関係者)
結婚とは異なり、現状、仕事はそうではない。愛子さまは、福祉関係の仕事に就きたいという思いを抱き日赤での就職を希望して、その夢を叶えられた。
「結婚が制限されている愛子さまにとって、自分の意思のもと打ち込むことができる仕事は生きがいで、かけがえのないものなのかもしれません。愛子さまが取り組まれているのは実務的な内容ですから、頑張ることで結果が出ることもやりがいにつながるのでしょう。
『結婚できないなら』という反骨心が、仕事に没頭させている側面もあるのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
実は愛子さまは、大学4年次が始まった時点では大学院へ進学することを視野に入れられていたという。
「愛子さまは日本文学に魅了され、当初は大学院で研究される道を前提にして過ごされていたそうです。しかし、周囲の友人たちが就職活動に打ち込み、しばしばその話題に触れる様子を見るなかで、愛子さまは考えを変えられ、“社会に出て働くことはいましかできないかもしれない”と就職を決断されたそうです」(学習院関係者)
研究職ではなく、一般企業のような団体への就職を決めた天皇家のお子様は愛子さまが初めてだった。
「皇室の方々は、ライフワークとして各種研究に取り組まれていますから、今後お立場がどう変化しても、研究職にはかかわることができるでしょう。しかし、外部の団体で一般と同じように働くのは、いつか難しい局面を迎えるかもしれません。まして愛子さまは、皇室の核を担われていくことになるでしょうからなおさらです。“いましかできない”という理由で日赤を選ばれたのも納得できます」(前出・皇室記者)
皇室という特殊な環境から離れて仕事に打ち込むことには、両陛下も賛成だったようだ。
「皇族だからという理由で優遇される環境に慣れると、自身の能力を過信してしまうことにつながりかねません。例えば眞子さんは、世界最高峰の美術館への就職を希望しましたが結果的に採用には至りませんでした。職場においては、組織としての判断が優先されるはずです。そうした環境に身を置き地道に実務経験を積むことは、必ず将来の役に立つはずだと雅子さまはお考えのようです」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまもまた、雅子さまと同じお考えで、ご自身のお立場へのご自覚もありながら、一方でできる限り“普通”に働きたいという希望を持たれているという。
「愛子さまは日赤内で、『愛子内親王、愛子さまとは呼ばないでほしい』と希望されたそうです。また、5月に行われる全国赤十字大会では、名誉総裁として雅子さまが参加される予定ですが、愛子さまは表に出ることはなく、裏方に徹される方針だと聞いています。友人や同期と同じように、新入社員として“普通”に働くべく、職場では自ら逆境を求めて奮闘されているのでしょう」(日赤関係者)
仕事に救いを求められている愛子さま。人前では笑みを絶やさないが、その胸中やいかに。
(了。前編から読む)
※女性セブン2024年5月9・16日号