女子学生に囲まれ、満面の笑みの金正恩(キム・ジョンウン)総書記に、みんなそろって“いいねポーズ”。
北朝鮮が公開した“プロパガンダ動画”が、TikTokを通じ、若者の間で大バズりしている。
まるで父親のように、子どもを優しい笑顔で抱きしめる金総書記。
これは、北朝鮮が4月17日に公開したプロパガンダ音楽のミュージックビデオ。
金総書記を「呼び捨て」に。
「親近なる父」とのタイトルをつけ、親しみやすさを演出している。
この動画が今、欧米などの若者の間で“大流行”。
TikTokには、この動画の音楽を使った投稿がずらり。
音楽に合わせ、リズミカルなダンスを披露する人や、ハートマークで愛情表現たっぷりの振り付けをする人も。
投稿の多くは、純粋に音楽自体を楽しんでいる様子だが、中には金総書記に共感するかのような投稿も。
ノリノリで踊る男性の投稿文には、「金正恩先輩」と金総書記に親しみを持つかのような文言が。
さらに、音楽に合わせ、高速で荷物をまとめる投稿に書かれていたのは、「この曲が出されたあと、北朝鮮に向かいます」との文字。
北朝鮮に行くための荷造りをしようとしているのか、この投稿には7万近くの「いいね」がついた。
この動画を日本の若者に見てもらうと…。
20代「踊りやすさがあるのかなと思った。耳には残る。中毒性ある」
9歳「あまり良くないと思う。この人はかっこいいと思ってるかもしれないけど、そんなにかっこよくない」
思わぬ世代から支持される形となった、北朝鮮のプロパガンダ動画。
しかし、ある危険性が潜んでいると専門家は警鐘を鳴らす。
甲南女子大学・鴨下ひろみ准教授「プロパガンダに触れることによって、知らず知らずのうちに、北朝鮮の宣伝に取り込まれるリスクは非常に高い。北朝鮮が核開発をしたり、人権弾圧をしていることに対する警戒心が薄れていくおそれがある。それを北朝鮮は逆に狙っているとも考えられる」
若者人気は、北朝鮮の狙いなのか、注意が必要。