新幹線の座席のリクライニングには、ルールは設けられているのでしょうか。
前の席を「全倒し」されると、自分のスペースが狭くなって「嫌だ」という人もいるようです。また、後ろの席の乗客から苦情を伝えられるなど、新幹線のリクライニングをめぐっては、たびたび乗客同士のトラブルに発展することさえあるので、気をつける必要があるでしょう。
ゴールデンウィークに突入したこともあり、新幹線の座席で短くない時間を過ごすだけに、快適な移動を楽しみたいものです。
「のぞみ」などの新幹線を運行するJR東海は、弁護士ドットコムニュースの取材に「具体的なルールは設定していません」と答えました。では、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
そもそも、新幹線のリクライニングを使う場合には、後ろの席に「倒します」と一声かけたほうがよいのでしょうか。
また、後ろの乗客から「倒さないで」「もう少し戻して」などと言われた場合、その求めに応じる必要はあるのでしょうか。
Xでは、新幹線に乗車した人の「前の人リクライニング全倒し たまにみかけるけど前でされると鬱陶しい」などの感想がしばしばみられます。
JR東海は取材に「リクライニングのご利用に関して、具体的なルールなどは設定しておりませんが、ご利用の際は、後ろのお席のお客様の様子にご留意いただくようご理解とご協力をお願いしております。快適な車内環境づくりにご理解ご協力をお願いいたします」と答えました。
JR東海の新幹線では2023年から、リクライニング可動域を通常の半分程度に狭めた「S Work車両」を導入しました。
働く場所を選ばない「新しい働き方」の広まりにあわせて、車内のビジネス環境充実を進めているといいます。
「S Work車両」の座席でリクライニング可動域を狭めたのは、「前席の背もたれが倒れてきてもモバイル端末等をご利用しやすい環境となるよう、座席でおくつろぎいただくのに支障のない角度までリクライニングの角度を小さくしました」との理由があるそうです。
小さな子を連れた人や仕事の作業中の人など、さまざまな事情を抱えています。乗客同士が互いの状況に気を配りながら、ときには歩み寄る必要があるようです。