年齢を重ねたことによるライフスタイルの転換期は、“今まで当たり前にやっていたこと”を見直すのに絶好のタイミング。ここでは、整理収納アドバイザーの木村充子さんが「50代になってやめたこと」をご紹介。それによって、自分も家族も快適に過ごせるようになったアイデアを語ります。
50代になって、夫が体調を崩したり、家事を手伝ってくれていた長女が独立したり、といった環境の変化があり、家事に使う時間と労力が増えました。そこで、小さなことでも省ける家事がないか、日頃面倒に感じたり、苦手に感じていることを見直してみることにしました。
まず見直したのは調味料の詰め替えです。詰め替えたほうが使い勝手も見た目もいいのですが、毎回詰め替えるのは面倒ですし、入りきらなかった分の調味料の収納場所も必要でした。
そこで、砂糖や粉ものの袋に取りつけて、そのまま容器として使える「フタックル」「ミニフタックル」という製品を使うようにしました。Amazonなどで購入が可能です。袋の角をカットしてキャップを取りつけるだけなので、30秒もあればセット完了。輪ゴムやクリップで留めるよりも使いやすく、逆さにしても中身が出ることはありません。
パッケージをそのまま利用するため、説明書きやレシピが分かりやすいのもいいところ。家族が料理をするときに、分量などをいちいち聞かれることがなくなりました。
調味料だけでなく、シャンプーやボディーソープの詰め替えもやめました。ダイソーの「そのまんまポンプ」を使っています。口を切った詰め替え袋をそのままボトルに入れて、フタに付いているストローを差し込み、フタを閉めるだけなので、詰め替えの手間がありません。そのうえ、最後までしっかり使い切れて、ボトルを洗う必要がない点も気に入っています。
手間がかからないので、使い切ったら家族も交換してくれるようになりました。
次に洗面所のティッシュケースを見直しました。長年洗面所のインテリアとして、ボックスティッシュをケースに入れて使っていましたが、ボックスティッシュの価格が上がり、ソフトパックのティッシュを使い始めたところ、ケースの寸法が合わなくなったのがきっかけです。
ソフトパックのティッシュが鏡裏のスペースにちょうど収まったため、そこを定位置にしました。すると、思いがけない効果がありました。これまでティッシュを使い切ったら補充するのはいつも私でしたが、家族が補充するようになったのです。家族もケースに入れるひと手間を面倒に感じていたようです。
キッチンでもティッシュケースを使っていたので、こちらも必要か検討しました。しかし、リビングから丸見えの場所なので使い続けたいという思いがありました。
そこで、ティッシュケースの底板を使わずに、ソフトパックのティッシュにケースを被せるだけにしました。交換するときに底板を外して再度取りつける、そのひと手間がなくなっただけで、交換が断然ラクになりました。
私は、家事のなかで洗濯がいちばん面倒で、とくにピンチハンガーを使って洗濯物を干すのが苦手でした。腕を上げたまま、洗濯物をひとつひとつをピンチにはさむ動作に小さなストレスを感じていました。
そこで、ピンチハンガーを使うのをやめて、軽くて持ち運びしやすいアルミ物干しを使うことにしました。干すときに腕がつらくならず、ベランダでも、室内でも、場所を選ばず洗濯物を干せます。
わが家では、家族それぞれが自分で洗濯をして、ひとり1台ずつ「マイ物干し」を使っています。乾いた洗濯物は物干しごとそれぞれの部屋に持っていき、洗濯物を畳むのも収納するのも、それぞれのペースで行っています。このスタイルにしてから、家族それぞれが洗濯物の管理をしやすくなりました。
面倒なことや苦手なことを見直したところ、ひとつひとつは小さなことでも、暮らしのストレスが大きく減りました。さらに、家族にも分かりやすくなったことで、今までよりも家事をすすんでしてくれるようになったという、うれしい効果も。無理をしないことが、自分も家族もすっきり暮らす秘訣だと感じています。
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