ゴールデンウィーク前半戦、各地でにぎわいを見せています。しかし、人気観光地である富士山の麓では異様な光景が広がり、行政が乗り出す事態となっています。
いよいよスタートしたゴールデンウィーク。今年は円安や物価高が影響するなか、28日、観光客を直撃したのは暑さでした。
京都市の最高気温は30.6℃。4月に真夏日を記録したのは12年ぶりです。
28日、30℃以上の真夏日を記録したのは、今年最多の38地点。25℃以上の夏日も500地点を超えました。
最も暑かったのは、福島県伊達市の32.3℃。福島市内の公園では大勢の子どもが水遊びをしていましたが、あまりの暑さに、ただ寝転んでいるだけという子どもも…。
東京都心も28日は28.2℃と今年最高を記録しました。そんな暑さに負けず行われたのは、恐竜の着ぐるみで走る「ティラノサウルスレース」。見ているだけで汗が噴き出してきそうです。
最大10連休となる今年のゴールデンウィーク。観光地にとっては書き入れ時ですが…。
山梨県の河口湖駅から目と鼻の先にあるコンビニエンスストア。その向かい側の歩道には、スマートフォンを構えたあふれんばかりの人がいます。
実は、このコンビニエンスストアの建物と富士山を一緒に写した写真がSNSなどで話題となり、2年ほど前から外国人観光客が殺到。SNS上には「絵画のように美しい」や「CGのようだ」といった外国人の感想が投稿されています。
しかし、この過熱ぶりによって、地元住民の通行が妨げられるなど、マナー違反が問題となっているのです。
富士河口湖町は、警備員を配置するなど対策を取ってきましたが、改善の見込みがないことから苦肉の策を取ることにしました。
高さ2.5メートル、幅20メートルの幕を設置することを決定。目隠しの幕を張って、物理的に写真が撮れないようにするというのです。工事は30日から2日間の予定で、その効果に注目が集まっています。
一方、隣の笛吹市には、インバウンドに期待を寄せる施設があります。「FUJIYAMAツインテラス」は、標高1600メートルに位置し、裾野まできれいに広がった富士山と河口湖を同時に臨めるまさに絶景スポット。
3年前に市がつくったものですが、これまでは地元の人や登山家など一部の人だけが知る、穴場でした。
知名度がいまいちだった理由は、標高1300メートルにあるすずらん群生地の駐車場から展望デッキまで一般車両で行けないことや、途中に飲食施設がないこと。そのため、市は駐車場にカフェや土産物店を併設した、観光交流拠点を作り、25日にオープンさせました。
今後、施設の運営や展望デッキまでのシャトルバスは民間の旅行会社が担うことになっていて、その宣伝力で外国人観光客の呼び込みにも期待を寄せています。
(「グッド!モーニング」2024年4月29日放送分より)