小林製薬の紅麹(こうじ)を使ったサプリメントで健康被害が相次いでいる問題です。製品から検出された非常に毒性の強い物質「プベルル酸」とは、どういった物質なんでしょうか。
問題の公表から1週間ぶりに、小林製薬の会見が行われました。
新たに1人、「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた人の死亡を報告し、関連が疑われる死者は5人となりました。
入院者数は延べ114人で、通院や通院を希望している人は680人に上るということです。一体、何が原因だったのでしょうか。
1週間前の会見では、未知の成分が混入している可能性が示唆されていましたが…。
小林製薬は、去年製造した紅麹の原料に意図せず含まれていた成分があったことを明らかにしました。
しかし、その成分は「解明していない」として回答を避けました。
一方、小林製薬の会見から2時間遅れで始まった厚生労働省の会見では…。
被害の原因として疑いのある物質は、プベルル酸だったことが明かされたのです。
厚労省によりますと、プベルル酸は青カビから作られる天然の化合物で、健康被害の疑いのあったサプリのロットからこの成分が確認されました。
ただ、腎臓への影響は現時点では明らかになっておらず、これが原因物質かどうかは、分からないということです。
小林製薬は公表しなかった理由について、こう釈明しました。
小林製薬の紅麹サプリによる被害は増え続けています。
サプリ摂取後に腎機能に異常が生じた患者3人が入院した日本大学の板橋病院。患者を診察した医師は、次のように話します。
患者は、70代の女性1人と50代の女性2人。尿が泡立つような症状や血液検査で腎機能の異常があり、「尿細管間質性腎炎」と呼ばれる症状だと分かりました。
3人は、去年の4月ごろからおよそ9カ月間にわたり、「紅麹コレステヘルプ」を摂取していました。
そのため、阿部医師らは、先月1日に小林製薬に問い合わせをしましたが、当初は同様の報告はないと説明を受けたといいます。
その後、小林製薬から改めて話を聞きたいと連絡があり、病院を訪れた担当者に症状などを詳しく伝えたのは、問い合わせから3週間経った先月22日でした。
患者の3人は2週間ほど入院しましたが、現在は退院しているということです。
実際、重い症状に悩まされている人もいます。
こう話すのは、福岡市に住む60代の女性。コレステロールの数値を下げるため、およそ3年前から毎日、小林製薬の紅麹サプリの服用を始めました。
すると、ある異変が起きたといいます。
サプリの服用をやめたのは5日前。紅麹の問題を報じるニュースを目にしたことがきっかけでした。
取材中、女性のもとに1本の電話がかかってきました。電話の相手は、小林製薬の担当者でした。
電話の内容は、病院での検査日程の確認と商品の返品に関するものでした。
女性は、小林製薬の対応の遅さに不信感を抱いています。
(「グッド!モーニング」2024年3月30日放送分より)