無料通信アプリ「LINE」利用者の個人情報が不正アクセスで流出した可能性がある問題で、総務省は5日、運営するLINEヤフーに対し、行政指導を行った。
業務委託先の監督強化と再発防止策の徹底を求めた。
松本総務相は閣議後の記者会見で、「利用者の利益が確実に保障されるよう、行政指導を行うことにした」と述べた。流出した情報には、無料通話の日時など、電気通信事業法で定める通信の秘密にあたる約2万件の情報が含まれていた。
LINEヤフーの発表によると、昨年9月以降、旧LINEの社内システムが不正アクセスを受け、利用者や取引先などの個人情報50万件超が流出した可能性がある。業務委託先の韓国IT大手ネイバーの子会社が不正アクセスを受け、旧LINE側も侵入された。社内システムの一部で共通の基盤を使っていたためだ。
ネイバーは、LINEヤフーの実質的な大株主で、グループの携帯大手ソフトバンクと折半で中間持ち株会社を設立している。松本氏は「業務委託先への強い依存関係が存在し、管理・監督を適切に行っていなかった」と指摘した。
行政指導では、LINEヤフーとネイバーの資本関係も含め、経営体制の見直しを求めた。
ヤフーと合併前の旧LINEは2021年に、システム開発を委託した中国企業が利用者の個人情報を閲覧できる状態だった問題が発覚したこともある。