名古屋市の小学生が同級生に約93万円もの金額を支払っていたことがわかりました。小学生同士の多額の金銭トラブル。一体何があったのでしょうか?
【写真を見る】「うまい話があると思ってしまった」小6男児が同級生に93万円支払う【ひるおび】
2022年11月から2023年2月にかけ、名古屋市の当時5年生(現在小学6年生)の男子児童が、複数の同級生から「価値が上がる」としてメダルや外貨の買い取りを持ちかけられ、8回にわたり合計93万円を支払っていたことが分かりました。その後男子児童から父親に相談があり、2024年2月、父親が警察に「実際の価値よりも高い額を支払った」と被害を相談しました。
被害児童の父親はー「『いま金額1gが9000円』だと。『これ持ってみるか』と握らせてみるんですね。持った息子ははすごい金額なんだろうなと勘違いをしまして」
純金製だと言われ36万円で購入した「記念メダル」は、実際には名古屋港水族館の数百円の記念メダルでした。
さらに、プラスチック製の珍しい外貨だとして25万円で購入した外貨は、カナダの10ドル札(日本円で約1100円)。他にも伊藤博文の旧1000円札やオリンピックの記念コインなど、合わせて93万円の金銭の授受があったいうことです。警察はトラブルの相談を受け、現在捜査しています。
40代女性「もし自分の子だと思ったらちょっと怖いですね。知らないところでそうなっていたら。ちょっと考えないといけない問題かもしれないですね。」
80代女性「(子どもが)嘘つくのもよくないよね。お金を持たせない方がいいと思います。親が管理しなきゃ。」
30代女性「小学生って今そんなこと言えるんだなとちょっとびっくりしています。スマホが普及してるのでいろいろ調べやすかったり、ちょっと頭のいい子だったらそういうのを使って騙すこともできちゃったりするのかなと。」
男子児童はお年玉などで貯めたタンス貯金があり、学校で「僕は100万円持っている。かっこいいだろう」と話していて、それが金銭トラブルに繋がったとみられています。今回のトラブルについて、男子児童は父親に「腹が立つ。信じていたのに。うまい話があると思ってしまった」と話しているということです。
父親は取材に対し「早い段階からお金の教育をしなければいけなかった。」「『お父さんが、おまえに対して(お金の教育を)怠っていたことは悪かった』とむしろ私が謝りました」と話しています。
男子児童に購入を勧めた同級生の保護者は、被害を相談した側とは面談して謝罪し、今後についての話もしているということです。また、「自分がやっていることが正しいことなのか、きちんと踏みとどまって考えるということを保護者として伝えなければいけなかったがそれができていなかったと思う。本当に申し訳ありません」と話しています。
コメンテーター 関根麻里:小学生でこういうやり取りがあったことも驚きましたし、「儲かるよ」とか「お得だよ」とか言って、しかも納得してやり取りをしていたというのにも驚きましたし、もちろん金額の大きさにも驚きましたね。
恵俊彰:こういう事があるたびに、子どもたちの方が実は情報をたくさん持っていて、大人の知らないところで知らないふりをしているという側面もあるなと改めて感じたりします。親がどこまで分かっているかですね。
コメンテーター 友利新医師:親がもちろん管理はしているんですけれども、子どもには子どもの世界があって、私達が全部把握するのはすごく難しいところもあると思うんですよね。もちろんしっかりと話し合いをして、常に会話を持って引き出すということも大切なんですが、素晴らしいなと思ったのは、お父様が「自分が怠ったのが…」とおっしゃっていたことです。お金ってそんなにすぐ簡単に儲かるわけでもないし、あと人を騙してはいけないというのは当たり前ですけど、そういったことを言っていかなきゃいけないのは本当に難しいなと。私達が子どものときには考えもつかなかったことが起こっているので、自分のことのように考えなければと思いました。
こういったトラブルに関して、罪に問われる可能性を八代弁護士に聞きました。
弁護士 八代英輝:【刑事に関して】14歳未満なので、警察が捜査した結果家庭裁判所に送致することもあるんですけど、家庭裁判所から最終的には児童相談所というところに事件が送致され、児童相談所がお子さんの成長度合いに合わせて教育をしていくことになると思います。【民事に関して】民事では基本的には未成年なので、親御さんですね。例えば買った側は、詐欺だとして契約を取り消したり、未成年者として契約を取り消したりということができますし、加害者側は詐欺行為にあたるので、本人か、本人が責任能力がない場合は親御さんが責任を負うことになりますね。
(ひるおび 2024年3月5日放送より)