居酒屋の入り口近くにある看板に貼られた「入店禁止」の張り紙。X(旧ツイッター)に投稿されたこの張り紙の内容が、物議を醸している。
「注意。南海電鉄関係者様、すべて入店禁止とさせていただきます。入店後、南海様とわかった時点で清算、出店お願いします」とのメッセージに、怒った顔と怒りのマークを加え、「入店禁止」を強く訴えている。
客として来店した南海電鉄の関係者との間で、何があったというのか。
居酒屋の店主「去年(2023年)の秋ぐらいやったと思います。11人で(来店)。3時間ぐらいは、十分どんちゃん騒ぎやってくれてました」
店主によると、南海電鉄の関係者はその後、飲食代5万6000円を支払い、店を出た。
トラブルが起きたのは、そのあとのことだった。
居酒屋の店主「外出て、あれおかしいなと思ったん違うかな、誰かがな。それから入れ替わり立ち替わり、明細出せ、何出せ、これ出せってな、1人の人が『こんなもん(料金)高いやないか。ぼったくりやないかい』って言ってきたわけですよ。もう切れましたよ! 血圧上がりましたわ!」
支払い代金をめぐってトラブルが起きたのは、南海電鉄の関係者がよく訪れるという大阪・泉佐野市の居酒屋。
南海電鉄関係者とのもめごとは、警察を呼ぶ事態に発展したが、それでも収まらず、店主はある提案をして、けりをつけたと話す。
居酒屋の店主「『ほんならお前らは、なんぼで納得するんや』と言うたら、『俺らは1人4000円で納得する』と。だから11人分、4万4000円の計算にして、1万2000円を返金した」
本来の代金から1万2000円を引くという妥協策で決着。
「1人3万円って言うんだったら、ぼったくりと言われても、これはしょうがないけど、正当な値段もらって、なんでそこまで言われないといけない。自分らの飲んだ量を考えてみと。3時間どれだけどんちゃん騒ぎして、飲んだのかと」
南海電鉄は「イット!」の電話取材に、代金をめぐって起きた店とのトラブルについて、「当社の従業員がお騒がせしていることを おわび申し上げます」と謝罪し、そのうえで、出入り禁止の認識については、「業務外の事象(出来事)と認識しておりますので、コメントは差し控えさせていただきます」と述べた。
今回のように入店お断りの張り紙を出すことは、法律上問題はないのか。
みずほ中央法律事務所・三平聡史弁護士「ここに侮辱的なことが書いてあったらまったく別の問題が発生するけど、侮辱的な内容ではないので、この張り紙自体が違法だということはないと思う」
そして2日、店に対し、南海電鉄から「貼り紙をはがしてほしい」と電話があったという。
店主は、その求めに応じ、張り紙をカッターではがしながら、「もう何事もなく、平和が一番ですよ」と話した。
出入り禁止の張り紙は、店主の胸の奥にしまい込まれた。