12月21日、極限まで追い込まれた元高校教師の控訴審が行われた。
札幌高裁で開かれたのは、1審で承諾殺人罪に問われ懲役6年6ヵ月の判決を受けた片桐朱璃被告(36)の公判だ。片桐被告は帯広市内にある高校の元教師。’22年5月に同市内の駐車場に停めた車内で、不倫関係にあった元同僚の宮田麻子さん(当時47)の首をシートベルトで絞め殺害したとされる。
「1審で検察側が明らかにしたのは、片桐被告の身勝手な言動です。お互いパートナーがいるのに『妻と離婚する』と言って’18年ごろから宮田さんと交際。自身に子どもが生まれると、関係解消を考えるようになったそうです。検察側は承諾殺人罪でなく殺人罪の適用を求め控訴しました。
一方、弁護側の主張からは片桐被告の追いつめられた状況がうかがえます。関係解消を拒まれ、宮田さんから一日に600回以上の着信があったことも。別れ話がこじれ『離婚しないなら奥さんと赤ちゃんを殺す』と迫られたそうです。『もう死ぬしかない』と考え、宮田さんを殺害してから自身も命を絶とうとしていたとか。万事に休した状態だったのでしょう」(全国紙司法担当記者)
『FRIDAYデジタル』は’22年6月9日配信の記事で、追いつめられた2人の泥沼不倫について詳しく報じている。再録し最悪の結果となった事件の背景を振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。
「釧路に行ってくるね」
夫や子どもにそう言い残して女性は車で外出した。しかし女性が発見されたのは、釧路ではなく東へ約150km離れた帯広。地中から衣服を着た遺体となって見つかったーー。
北海道北見市に住む宮田さんが、自宅を出たのは’22年5月29日お昼前のことだ。同日の夜までは家族とSNSでやり取りしていたが、翌30日になると連絡がつかなくなる。心配した夫は北海道警に通報した。
「妻が帰ってきません。行方がわからなくなりました」
31日には行方不明届を提出。警察が夫から話を聞くと、捜査線上にある男性が浮上する。
「片桐被告です。警察が6月1日に任意で事情聴取すると、片桐被告は宮田さんと会っていたことを認めこう供述しました。『首を絞めて殺害した。遺体は車で運びスコップで穴を掘って埋めた』と。
片桐被告立会いのもと、警察が帯広市内の雑木林を捜索すると地中から宮田さんの遺体を発見。首には絞められたような痕がありました。死因は窒息です。警察は片桐被告を死体遺棄の疑いで逮捕しました」(全国紙社会部記者)
かつて片桐被告と宮田さんは同僚だった。’16年4月から’22年3月までの6年間、北海道内の別の高校に勤務していたのだ。
「2人とも、生徒や保護者からのウケはとても良かったようです。長い期間休む生徒がいたら、親身になって相談に乗ってね。決して声を荒らげることもない。温厚で教育熱心な教師でした。当時から宮田さんと片桐被告の親密さは評判だったようです」(同前)
お互いパートナーがいながら仲を深めていった2人。控訴審は即日結審し、判決は’24年1月11日に言い渡される予定だ。