全国70以上の鉄道事業者が加盟する日本民営鉄道協会は12月19日、2023年度の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」を発表した。
最も迷惑だと思われている行為は、昨年度と同じく「座席の座り方」だった。新しく設問に加わった「強い香り」も7位に入った。
また、アンケートの協力を求めたポスターが、X(旧ツイッター)で話題になったことから、回答人数が昨年から倍以上に増えたという。
アンケートは今年10~11月までウェブで実施され、8210人が回答した。項目から最大3つを選択する形式。
上位1~10位までは次の通り(かっこの数字は2022年度)。
1位(1)座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)37.1%2位(5)周囲に配慮せず咳やくしゃみをする 33.5%3位(3)乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)31.3%4位(2)騒々しい会話・はしゃぎまわり 30.3%5位(4)荷物の持ち方・置き方(鞄・傘等)22.8%6位(6)スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等)18.2%7位(-)強い香り(香水・洗剤・柔軟剤・化粧品等)17.0%8位(6)ゴミ・ペットボトル等の放置 15.6%9位(8)酔っ払った状態での乗車 14.0%10位(9)優先席のマナー 10.9%
1位は2022年度に続いて「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」だった。
行動規制緩和を受けて、今年度から「新型コロナウイルス感染者が拡大する中で、電車利用時に気になること」の設問をなくしたが、「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」が2位になるなど、依然として、全体的に感染対策に敏感となっていることが見受けられる。
日本民営鉄道協会によると、アンケートの自由記述欄で、マスク着用や車内の換気の徹底などを求める声もあったという。
また、昨年度のアンケートで多数の自由回答があったことから、今年度から「強い香り」も設問に入った。
「香害に苦しむかたがいるという問題もよく指摘されるようになり、初めての設問でしたが、7位という結果になりました」(日本民営鉄道協会)
なお、アンケートの回答者数は昨年の3305人から、今年は8210人と一気に倍以上に増加した。
件数増加の理由は「SNSのバズり」にあるそうだ。
「アンケート実施期間に伴って、今年10~11月に啓発ポスターを車内と駅構内に貼ったところ、お客様が『デザインが素晴らしい』とSNSにアップしてくれました」(日本民営鉄道協会)
この投稿は、Xの投稿は9万以上「いいね」された。投稿者がアンケートのURLも貼り付けたうえで協力をもとめたことも回答増に寄与しているとみられる。
「SNSでの拡散により、さらに一部メディアでニュースで取り上げられて、多くのかたに答えてもらいました。私どもも大変驚いております。投稿者のかたには頭が上がりません」(日本民営鉄道協会)
ポスターは2022年度のランキングの迷惑行為をもとに作られている。