52年前に東京・渋谷区で起きた「渋谷暴動事件」で、殺人罪などに問われている中核派の活動家に東京地裁は懲役20年の判決を言い渡しました。
大坂正明被告(74)は1971年に他の学生らと共謀し、中村恒雄巡査(当時21)を鉄パイプなどで殴打したうえで火炎瓶を投げ付けて殺害した罪などに問われています。
東京地裁は今月22日、「50年以上が経過したことを考慮しても適正な手続きのもとでの真実発見が不可能な事態に陥ってるとは到底言えない」などと指摘しました。
そのうえで、大坂被告について「無抵抗の被害者に対し、多数の者が一方的に鉄パイプなどで殴打するなど苛烈(かれつ)な暴行を加え続けた」「動機は機動隊の殲滅(せんめつ)という闘争方針に沿った成果を上げることにあったといえ、許されるべきものではない」などとして、懲役20年の判決を言い渡しました。
これまでの裁判で大坂被告は「無実であり、無罪です」「殴ってもいないし、火炎瓶を投げてもいません。指名手配、逮捕、起訴され裁判になったこと、すべて不公正、理不尽です」などと述べていました。
大坂被告は事件後、46年間に渡って逃走を続け、指名手配中の2017年に広島市内の中核派のアジトで逮捕されました。