不正経費について記者会見するNHKの安保華子理事(写真・共同通信)
12月19日、NHK報道局の記者が不正に経費請求していた問題で、第三者委員会の調査の結果、私的な飲食などによる不正な請求が410件、合計789万円にのぼることが判明した。
「同記者は11月2日時点で“不正経費”を認めたため、懲戒免職となりました。410件のうち、311件が、友人や同僚との飲食など、取材と無関係の私的なものでした。要するに、『取材のため』と虚偽の申告をして、800万円近くの“タダ飯”を食べていたわけです。
NHKはこの事態を招いた責任を重く見て、12月19日付けで歴代の社会部長3人や、前報道局長など9人に対して、停職や減給などの懲戒処分をおこないました」(社会部記者)
報道局の女性社会部長が去り、新たにメディア戦略本部専任部長から新社会部長がやってきた。
「不正経費の問題をめぐって緊急で開かれた社会部会で、前部長は泣いて弁明し、失笑を買っていました。結局、更迭が決まって異動を知らせるメールを全部員に1通送っただけで、まともな挨拶もなく去っていきました。
一方、新部長は『(不正経費問題に関する)処分は、新しいスタートのチャンスにしないといけない。打ち合わせ費は見直し、当然のルールを守るという当たり前のことをみんなにお願いしたい』『社会部は自由な職場風土だが、本来のルールから逸脱し、個々の記者に任せていたことが結果としてよくなかった』と話しています。
しかし、問題になった記者が不正をしていた期間と、この部長が社会部に在籍していた期間は被っているんです。“先輩”としてほんとに何も知らなかったのか…。白々しいですよね」(NHK職員)
さらに、社会部の中では、鬱憤が溜まったままだ。
「今回、同じ報道局の中でも、政治部や経済部は、お咎め無しでした。第三者委員会の調査ではほかに大きな不正が出てこなかったということですが……。本当に社会部だけなのか、他部署もやっていたのではないかと疑う声が出ています」(同前)
身内に対しても、「公平・公正」「不偏不党」であってほしいが……。