12月13日、六代目山口組が静岡県浜松市で「納会」を実施した。分裂抗争中のため、現場には大勢の警察、マスコミが駆けつけ、物々しい雰囲気に包まれていた。
【写真31枚】山口組の納会に密着 海外の高級ブランドに身を包んだ司組長、高山若頭との貴重なツーショットも「納会は六代目山口組の司忍組長(81)と傘下組織の直系組長が顔を合わせ、1年を締めくくるというもの。暴対法による警戒区域の指定を受け、六代目山口組の総本部が置かれている神戸市の事務所が使用できなくなっていた。静岡県では六代目山口組が、特定抗争指定暴力団に指定されていないため、2021年から警戒区域外にあたる浜松市の國領屋一家で行われています」(全国紙社会部記者)

陽が昇り始めた早朝、記者が事務所前に到着するとすでにスーツ姿の警官が50名以上確認できた。「納会の準備をするため、全国各地の傘下組織から組員を集めているので、ここにも全国各地から警官が来ているんです。高山清司若頭(76)は前日に事務所入りしたとみられていて、一部の警官も前日から事務所前で張り込んでいる。私も近隣のビジネスホテルに前泊して早朝から現場にきています」(警視庁の警官) 警察は一眼レフやハンディカムで車の出入りや警備する組員の姿を熱心に撮影。門の上まで手を伸ばして敷地内の映像を撮ろうとしていた警察関係者に対して、組員が「上から撮るのやめなよ」と、不満を見せることも。また、別の組員が取材陣に「このなかでメディアの方はいらっしゃいますか?」と声をかけ、会社名と名前をメモ。名刺まで丁寧に確認するなど警戒心を強めていた。「2019年10月に六代目山口組は抗争中の神戸山口組の中核組織・山健組本部前に集まるメディア、警察のなかにヒットマンを紛れ込ませ、組員2人を射殺する事件を起こしている。その際に、ヒットマンが“実話誌の記者”と名乗って潜り込んでいたので大きな話題にもなった。そうした手法を用いたからこそ、万が一を六代目山口組も警戒しているわけです」(実話誌記者)◆20名のコンパニオンが続々と事務所に 張り詰めた空気のなか、全国の直系組長を乗せたとみられる高級車が続々と本部に集結。8時40分頃、高級セダンに乗った司組長が到着すると、一斉にカメラのシャッターが切られた。「司組長の到着後、新たに誕生した2人の直系組長に司組長と盃が交わされたようです。その後、納会に移り、高山清司若頭が挨拶し、新年度の組方針が発表されたと見られている」 後日、来年度の組方針が「和親合一」であることが判明。田岡一雄三代目組長の時代に掲げられた言葉で、「和をもって組織を固め、一丸となって進んでいく」という意味が込められており、8年続くこの方針が抗争終結まで続くとみられている。 納会が終了する前後、事務所には6台の車が相次いで到着した。前出・実話誌記者によると「毎年20名ほどのコンパニオンの女性が乗っていて、納会後の宴会で組長達に接待するためにきている。普段は厳しい表情の多い組長たちもこの時ばかりは笑顔。カラオケも行なわれて、例年、司組長がトリを飾る」という。 実際、女性達が事務所に入ってしばらくすると、笑い声など盛り上がっている様子が外まで聞こえてきた。11時50分ごろからはカラオケの音が聞こえるようになると、警察も「聞こえてきた、聞こえてきた」「何を歌っているんだ?」と耳をすましだす。残念ながら記者に曲名はわからなかったが、12時36分に会を閉める拍手の音が聞こえた。◆組員「お前ら邪魔なんだよ」 それから約1時間後、駐車場のシャッターが開かれた。敷地内の事務所そばには、高山若頭ら直系組長たちがズラっと並んでいる。その後、司組長が事務所から現れると、警察やマスコミは一斉にシャッターの前に。あまりの混雑ぶりに1人の組員が「お前ら邪魔なんだよ」と声を荒らげるが、近くにいた執行部の1人は焦る様子もなく、「そんな言い方したらあかんで」とたしなめる一面も。当の司組長も驚いた様子もなく、マスコミをゆっくり見回して黒のベンツに乗り込み、事務所から去った。「六代目山口組としては、抗争を有利に進めていることを内外にアピールしたいという思惑もあるだろう。執行部がズラっと並んだり、司組長が報道陣の前で車に乗るのも、メディアに撮ってもらうため。本来、抗争中ならこうして姿を晒すなんてあり得ません。とはいえ、抗争相手の神戸山口組や絆会などは徹底抗戦の構えを崩しておらず、六代目山口組も決定打を持っていない」(前出・全国紙社会部記者) 2024年8月で分裂抗争は10年目に突入する。分裂抗争の決着はつくのだろうか──。
「納会は六代目山口組の司忍組長(81)と傘下組織の直系組長が顔を合わせ、1年を締めくくるというもの。暴対法による警戒区域の指定を受け、六代目山口組の総本部が置かれている神戸市の事務所が使用できなくなっていた。静岡県では六代目山口組が、特定抗争指定暴力団に指定されていないため、2021年から警戒区域外にあたる浜松市の國領屋一家で行われています」(全国紙社会部記者)
陽が昇り始めた早朝、記者が事務所前に到着するとすでにスーツ姿の警官が50名以上確認できた。
「納会の準備をするため、全国各地の傘下組織から組員を集めているので、ここにも全国各地から警官が来ているんです。高山清司若頭(76)は前日に事務所入りしたとみられていて、一部の警官も前日から事務所前で張り込んでいる。私も近隣のビジネスホテルに前泊して早朝から現場にきています」(警視庁の警官)
警察は一眼レフやハンディカムで車の出入りや警備する組員の姿を熱心に撮影。門の上まで手を伸ばして敷地内の映像を撮ろうとしていた警察関係者に対して、組員が「上から撮るのやめなよ」と、不満を見せることも。また、別の組員が取材陣に「このなかでメディアの方はいらっしゃいますか?」と声をかけ、会社名と名前をメモ。名刺まで丁寧に確認するなど警戒心を強めていた。
「2019年10月に六代目山口組は抗争中の神戸山口組の中核組織・山健組本部前に集まるメディア、警察のなかにヒットマンを紛れ込ませ、組員2人を射殺する事件を起こしている。その際に、ヒットマンが“実話誌の記者”と名乗って潜り込んでいたので大きな話題にもなった。そうした手法を用いたからこそ、万が一を六代目山口組も警戒しているわけです」(実話誌記者)
張り詰めた空気のなか、全国の直系組長を乗せたとみられる高級車が続々と本部に集結。8時40分頃、高級セダンに乗った司組長が到着すると、一斉にカメラのシャッターが切られた。
「司組長の到着後、新たに誕生した2人の直系組長に司組長と盃が交わされたようです。その後、納会に移り、高山清司若頭が挨拶し、新年度の組方針が発表されたと見られている」
後日、来年度の組方針が「和親合一」であることが判明。田岡一雄三代目組長の時代に掲げられた言葉で、「和をもって組織を固め、一丸となって進んでいく」という意味が込められており、8年続くこの方針が抗争終結まで続くとみられている。
納会が終了する前後、事務所には6台の車が相次いで到着した。前出・実話誌記者によると「毎年20名ほどのコンパニオンの女性が乗っていて、納会後の宴会で組長達に接待するためにきている。普段は厳しい表情の多い組長たちもこの時ばかりは笑顔。カラオケも行なわれて、例年、司組長がトリを飾る」という。
実際、女性達が事務所に入ってしばらくすると、笑い声など盛り上がっている様子が外まで聞こえてきた。11時50分ごろからはカラオケの音が聞こえるようになると、警察も「聞こえてきた、聞こえてきた」「何を歌っているんだ?」と耳をすましだす。残念ながら記者に曲名はわからなかったが、12時36分に会を閉める拍手の音が聞こえた。
それから約1時間後、駐車場のシャッターが開かれた。敷地内の事務所そばには、高山若頭ら直系組長たちがズラっと並んでいる。その後、司組長が事務所から現れると、警察やマスコミは一斉にシャッターの前に。あまりの混雑ぶりに1人の組員が「お前ら邪魔なんだよ」と声を荒らげるが、近くにいた執行部の1人は焦る様子もなく、「そんな言い方したらあかんで」とたしなめる一面も。当の司組長も驚いた様子もなく、マスコミをゆっくり見回して黒のベンツに乗り込み、事務所から去った。
「六代目山口組としては、抗争を有利に進めていることを内外にアピールしたいという思惑もあるだろう。執行部がズラっと並んだり、司組長が報道陣の前で車に乗るのも、メディアに撮ってもらうため。本来、抗争中ならこうして姿を晒すなんてあり得ません。とはいえ、抗争相手の神戸山口組や絆会などは徹底抗戦の構えを崩しておらず、六代目山口組も決定打を持っていない」(前出・全国紙社会部記者)
2024年8月で分裂抗争は10年目に突入する。分裂抗争の決着はつくのだろうか──。