吉村洋文大阪府知事が27日、関西テレビの情報番組「newsランナー年末SP」に出演し、工事の遅れが懸念されている大阪・関西万博について言及した。
万博開催地の夢洲(ゆめしま)は、2015年に行われた大阪府の検討会の際には候補地に挙がっていなかったが、当時大阪府知事だった松井一郎氏が「試案として夢洲」と発言。16年6月の府市の検討会議で候補地に追加され、同年10月に候補地が夢洲としてまとまった。しかし夢洲は大阪湾上の埋め立て地で、資材や人を搬入する道路が「夢舞大橋」と「夢咲トンネル」しかなく、アクセスの悪さが工事の遅れを引き起こしている一因との見方があるという。
当時、大阪市長だった吉村府知事は「適切なプロセスで(夢洲に)決定した」と前置きした上で「大阪のベイエリアを活性化させていきたいんです。海外のベイエリアというのはすごく発展しているのに、大阪は常にベイエリアがうまくいかなくて負の遺産になっている状態だった」と説明。大阪の東西軸の発展と世界で初めてベイエリアで行う万博にチャレンジする試みでもあると持論を展開した。
万博会場の隣にIR計画予定地(将来的には博覧会会場跡地も2次、3次工事を経てIRの施設として組み込まれる予定になっている)があり、万博を利用して夢洲のインフラ整備を行い、IRの誘致を進めようとしたのではないかとの疑念を問われると「それは違うと思いますね。(大阪のベイエリアを)負の遺産の状態のまま、ほっとけないという気持ちはあります。万博のあと、当然まちづくりをするんですよ。その計画も大阪市中心に立てていくことになる」とし、万博のレガシーを生かす考えを示した。