胸から肩にかけて桜吹雪の入れ墨が彫られ、日本刀のようなものを構える男。
佐藤央雄容疑者(52)は12月22日午後6時半ごろ、神奈川・横須賀市のファミリーレストラン店内で、早川知恵子さん(49)を日本刀のような刃物で刺し、殺害したとして逮捕された。
2人の間にいったい何があったのか。知人らを取材した。
27日、イット!の取材に応じた早川さんの8年来の知人には、事件当時、早川さんから「軍刀持って殺しに来た」というメッセージが届いていた。
早川さんの8年来の知人:冗談だと思って、「えっ?」っていうスタンプを送って、そのあとからは既読なし。
佐藤容疑者と早川さんの間に何があったのか…。早川さんと佐藤容疑者は、 2人でアパートの1室に暮らしたことがあるという。
近隣住民:仲の良い感じでしたかね。ラブラブなんだなって。
近隣住民:(佐藤容疑者が)お医者さんだって言うから、へえ、お医者さんがこんなアパートに入るかなあと思ってたの。
自らを「医師」だと話していたという佐藤容疑者。看護師の資格を持つ早川さんとは仲が良く、一緒に仕事にも取り組んでいた。2人が提供していたのは、高齢者施設からの外出の付き添いなど、保険適用となる介護サービス。
2人を知る人:訪問介護だと介護保険の適用内なので、そこを使えない人たちのためのサービス。2人組で行ってお世話する。
業務内容が書かれたパンフレットを見ると、その費用は年会費3万6000円に加え、1時間ごとに1万円となっている。
佐藤容疑者のSNSに投稿された写真では、複数の高齢者に対し、習字の指導をしている佐藤容疑者の姿もあった。腕をまくり、真剣に取り組んでいるよう見える一方で…。
2人をよく知る人:早川さんが、佐藤容疑者のことを医療活動のことをまったくわからない人だと、医師ではないと言っていました。(佐藤容疑者は)コンサルティング業だろうと思ってました。
仕事上の関わりがある相手には、医師ではなくコンサルタント会社の経営者を名乗っていた佐藤容疑者だが…。
2人をよく知る人:刀だけが映っている写真。何人かには見せたんじゃないですかね、酔った勢いの時だけ。
酔った勢いで「刀を持っている」と写真を見せ、自慢することもあったという。また「二十五年もヤクザをやっていて組長にもなれなかった寂しい男の成れの果て…ですわ」と、自らを元暴力団員であるとSNSに書き込んでいた。
そうした佐藤容疑者に対し、早川さんは次第に「距離を取りたい」と話していたという。
2人をよく知る人:佐藤容疑者と距離を取りたいということを(早川さんが)言ってたんで。仕事の面もそんなに口出されちゃ困るから距離を取りたい、みたいな言い方をしてました。
さらに関係がこじれた理由については、こんな証言も。
早川さんの8年来の知人:もう姉さんが我慢できない、お金の面で我慢できないってなって。(佐藤容疑者は)納得していないような感じはしてましたけど、姉さんが一方的に出ちゃった感じなんで、キレイには別れてないと思うんですよね。
佐藤容疑者が、業務を早川さんに任せきりで働かないことで関係が悪化。交際関係を清算できないまま、早川さんは帰らぬ人となった。
警察は、2人の関係と事件の関連について、くわしく調べている。(「イット!」12月27日放送)