人通りの少なくなった深夜の駅前。男は帰宅途中の女性の後をつけ始めた。彼女が自宅マンションへ入ると、一緒にオートロックを通過しエレベーターに同乗。降りた直後にわいせつな行為におよんだという――。
警視庁練馬署は、12月3日までに不同意わいせつなどの疑いで東京都中野区に住む保育士・田中志郎容疑者(21)を逮捕した。
「逮捕容疑の事件が起きたのは今年8月7日深夜です。好みのタイプだったのでしょう。田中容疑者は面識のない20代の女性を駅近くから10分間ほど尾行し、彼女の住む練馬区内のマンションへ侵入。敷地内で女性の身体を触ったとされます。
女性が『や、やめて!』と激しく抵抗すると走って逃走。防犯カメラの映像などから、田中容疑者の逮捕にいたりました。調べに対し田中容疑者は、こう供述して犯行を一部否認しているそうです。『盗撮目的で女性を追いかけマンションへ入りました。洋服には触れたが、わいせつな行為はしていません』と」(全国紙社会部記者)
深夜、女性の後をつけ自宅マンションなどで性的暴行を加える事件が増えている。最近起きたトラブルを以下に紹介したい。
・’22年7月、30代の会社員Aが強制性交や銃刀法違反の容疑などで逮捕される。未明に疲れた様子で駅から帰宅する20代の女性を発見。女性がアパートに入るとAはドアが閉まる前に内部へ侵入。持っていたナイフで「騒ぐな!」と脅し、恐怖で動けなくなった女性にわいせつな行為を繰り返したとされる。
・’23年4月、20代の男性モデルBを強制わいせつ致傷の容疑で逮捕。深夜、都内の駅から帰ろうとする20代の女性を尾行。ひと気のない路地に入ったところを、いきなり後ろから抱きつき身体を触ったとされる。女性が悲鳴をあげたためBは走って逃走。防犯カメラの映像などから逮捕にいたった。Bは同様の事件で以前にも逮捕歴があった。
こうした犯行から身を守るには、どうすれば良いのだろうか。同様の事件を何件も取材した全国紙記者が語る。
「まず夜道では、スマートフォンで音楽を聴くなど『ながら歩き』をしないことです。『ながら歩き』ではスマホなどに意識が集中し、尾行に気づかないケースが多いですから。エントランスやエレベーターで見知らぬ人と一緒になり、しかも同じフロアーで降りようとしたら『忘れ物をした』などと言って、その場から離れましょう。部屋の前まで来られたら犯人の思う壺です。
若い女性でなくても、夜は注意が必要です。帰宅が深夜になった場合は、近距離でもなるべくタクシーを使ってください。中高年の方が、ひと気のない暗い道で引ったくりの被害にあうトラブルもありえる。防犯ブザーを携帯するのも有効でしょう。最近は、防犯機能のついているスマホもあるので活用をお勧めします」
深夜にわいせつ事件を犯す加害者の多くには、余罪があるのも特徴の一つだという。