「早朝から寺の落ち葉を掃き掃除したり、夏場は草むしりするなどまじめに働いていました。過去に何度も逮捕されて、さすがに反省したと思っていたんですが……」
と地元の男性は絶句する。
茨城県つくばみらい市の路上でわいせつな行為をするため女子高生Aさんの首をつかんでケガをさせたとして県警常総署が11月16日、不同意わいせつ致傷の疑いで再逮捕したのは市内の僧侶・木村孝道容疑者(41)。同署によると、容疑を認めている。
「9月20日午後10時45分ごろ、背後から暴行し頸部に全治約2週間の引っ掻き傷を負わせた。わいせつ目的の行為とみられ、事件直後にAさんの父親から110番通報があった」(捜査関係者)
これとは別に、夜道で女子高生Bさんを襲ってケガをさせたとして県警取手署が傷害容疑で逮捕済みだった。
「何らかの凶器を用いて背後から全治約1週間の後頸部挫傷を負わせた。犯行後に逃げていたが、Bさんの母親から“娘の首から血が出ている”と110番通報があった。逮捕当初は犯行を否認していた」(別の捜査関係者)
被害者とはいずれも面識がないとみられ、県警は余罪についても調べる方針だ。
地元住民らによると、容疑者は寺のひとり息子。2人の姉は寺を離れ、先代住職の祖父、現住職の父親の後継者と目されていた。
「祖父は学校長を兼務した名士。溺愛され、おじいさんっ子に育った。すでに祖父母は高齢者施設に入居し、祖母は昨年亡くなった。孝道くんはものすごく頭のいい子で、僧侶資格にスピード合格。よく通る声で読経が上手だった」
と檀家の男性。
学生時代は恋人もいた。
「家族に結婚を反対されたことがあって独身を貫いているようだ。30代になっても、檀家の前で供物のメロンを欲しがるそぶりをみせるなど幼稚な面があった」(知人)
急変したのは9年前。
「女子中学生4人がコンビニに自転車を止めた隙に前カゴからバッグやタオル、水筒などを盗んで逮捕された。別の女子中学生の背中に直径約5センチの石を投げて当てた余罪も発覚し、“驚く反応が見たかった”と供述した。6年前には自宅で酒を飲んで暴れ、駆けつけた警察官に公務執行妨害。3年前には女子高生に後ろからまた投石。今年5月、客として通う飲食店をめぐって店主ら男女3人の名誉を毀損するネット投稿をし、計7回は逮捕されている」(全国紙社会部記者)
繰り返される事件に「もう檀家から抜けようかな」と悩む人もいるという。
自宅のある寺を訪ねると、母親は言う。
「被害者と親御さんにはおつらい思いをさせ申し訳なく思っています。息子は寺とは関係がなくなっており、メンタルクリニックに通う無職です」
無職がどのように生計を立て、寺で過ごしてきたのか。
父親はこう話す。
「親ですから衣食住の面倒は見ました。墓掃除をしたり、寺の庭を掃く程度はしていましたが、謹慎10年の最中なので僧侶の仕事はしていません。罪を償ったら精神的な病いを治してほしい。もし社会に戻ってきたときに私たちが生きていればサポートするつもりです。残りの人生をかけて彼を反省させたい」
僧侶による煩悩まみれの犯行だった。