14日午前11時ごろ、大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で、人気アトラクションの「ザ・フライング・ダイナソー」が頂上付近で緊急停止。
定員いっぱい32人の乗客は、体を下に向けた宙づり状態で、安全バーを握りしめていた。
足が宙に浮くこの絶体絶命な状況が、最長でおよそ45分間も続いた。
目撃者「カタカタカタ…カタって完全に止まって、びっくりしました。最初みんな『えっ?』って戸惑った感じ。(乗客が)時間がたって慣れたのか、手を振ったりとかありました」、「(もし自分が乗っていたら?)心臓が持たないと思う、怖いです」
「ザ・フライング・ダイナソー」は、宙づりとなった乗客がうつぶせの状態となって滑走。
ウェブサイトには、「鳥が大空を飛ぶように顔と体が下を向いた姿勢で風とスリルを体感できる次世代のコースター」とある。
そのスリルを体感する中での緊急停止。その位置は、マンション13階相当の高さ40メートル付近だった。
USJによると、異常の可能性を知らせるセンサーが反応し、自動で停止。点検の結果、異常はなかったという。
宙づりになったままの32人の乗客。
どのように救助するのだろうか。
コースターの横の非常階段には救助スタッフが駆けつけ、しゃがみ込むように乗客の様子を確認している。
宙づり状態のまま安全バーを外せば、真っ逆さまとなる非常に危険な状況。
そこに到着したのが、救助用とみられるゴンドラ。乗客の下にずらし、足場として使用。救助スタッフは、レール脇の柵を外し、乗客のもとに近づき足元に台を置くと、乗客の両足、両肩にある安全バーを外し救助していた。
同じ手順で次々と救助された乗客は、レール脇の非常階段に誘導され下りていく。
USJによると、コースターの緊急停止から、およそ45分で避難が完了したという。
乗客32人にけがはなく、午後0時半ごろに運転が再開された。
人気アトラクションの緊急停止は、過去にも複数回起き、大きなニュースとなった。
2018年の5月には、最長で乗客が2時間も宙づり状態となるトラブルが起きている。
USJは、「園内のアトラクションでは、停止時間が短い緊急停止は、ほぼ毎日起きている。事故が起こってからでは遅いので、安全のためよく反応するようになっている。(頂上付近で止まって)お客さまには怖い思いをさせて申し訳ない」と説明している。