参院地方創生・デジタル特別委員会は26日、マイナンバー制度に関する閉会中審査を開いた。同制度を巡っては、現行の健康保険証を2024年秋に廃止してマイナンバーカードと一体化する政府方針について「延期」を求める声が自民党内からも上がっている。この日の審議でも、自民議員が「国民理解に努めるべきだ」と先送りに言及した。
「マイナ保険証」に理念ない 平野貞夫さんの目 「マイナンバー制度の信頼が非常に揺らいでいる。信頼回復を優先し、来年秋の保険証廃止に関しても期限ありきではなく丁寧に国民の理解に努めるべきではないか。与党の中からも、そういう声が大きくなってきている」

閉会中審査でトップバッターとして質問に立った自民の山田太郎参院議員は、健康保険証の問題を「特に懸念の声が大きい」として取り上げた。 これに対し河野太郎デジタル相は、発行済みの保険証が25年秋まで最大1年間継続使用できる点に触れ、「こうした期間も使いながら、丁寧に不安を払拭(ふっしょく)していきたい」と述べた。 健康保険証の廃止時期を巡っては、岸田文雄首相が6月21日の記者会見で「最大2025年までの猶予期間を活用し、不安を払拭していく」と述べた。これを踏まえ、河野氏や加藤勝信厚生労働相は「措置が完了するように努力をしていきたい」などと繰り返した。 だが、制度に関する厳しい世論を背景に、自民幹部が廃止先送りに言及するシーンも目立ち始めている。「無理に時間を切らずに、皆さんに理解してもらう機会をつくる必要がある」と発言した萩生田光一政調会長に加え、世耕弘成参院幹事長も「対処策を打っても信頼回復につながらないのであれば、来年秋という期限にこだわる必要はない」と語った。こうした発言について自民中堅は「強行突破はできないと考えるのは自然だ」と理解を示す。立憲、河野氏への追及強める 一方、これまでも廃止の延期や撤回を求めてきた野党は、河野氏への追及も強める。立憲民主党の杉尾秀哉参院議員はこの日、政府によるマイナンバーの「総点検」などを行っている間に、河野氏が外遊したことを「無責任だ」と批判。河野氏は、作業に支障がない期間だったとした上で「他の必要なデジタル庁における仕事をする、これは当たり前のことだ」と反論した。【畠山嵩、後藤豪】
「マイナンバー制度の信頼が非常に揺らいでいる。信頼回復を優先し、来年秋の保険証廃止に関しても期限ありきではなく丁寧に国民の理解に努めるべきではないか。与党の中からも、そういう声が大きくなってきている」
閉会中審査でトップバッターとして質問に立った自民の山田太郎参院議員は、健康保険証の問題を「特に懸念の声が大きい」として取り上げた。
これに対し河野太郎デジタル相は、発行済みの保険証が25年秋まで最大1年間継続使用できる点に触れ、「こうした期間も使いながら、丁寧に不安を払拭(ふっしょく)していきたい」と述べた。
健康保険証の廃止時期を巡っては、岸田文雄首相が6月21日の記者会見で「最大2025年までの猶予期間を活用し、不安を払拭していく」と述べた。これを踏まえ、河野氏や加藤勝信厚生労働相は「措置が完了するように努力をしていきたい」などと繰り返した。
だが、制度に関する厳しい世論を背景に、自民幹部が廃止先送りに言及するシーンも目立ち始めている。「無理に時間を切らずに、皆さんに理解してもらう機会をつくる必要がある」と発言した萩生田光一政調会長に加え、世耕弘成参院幹事長も「対処策を打っても信頼回復につながらないのであれば、来年秋という期限にこだわる必要はない」と語った。こうした発言について自民中堅は「強行突破はできないと考えるのは自然だ」と理解を示す。
立憲、河野氏への追及強める
一方、これまでも廃止の延期や撤回を求めてきた野党は、河野氏への追及も強める。立憲民主党の杉尾秀哉参院議員はこの日、政府によるマイナンバーの「総点検」などを行っている間に、河野氏が外遊したことを「無責任だ」と批判。河野氏は、作業に支障がない期間だったとした上で「他の必要なデジタル庁における仕事をする、これは当たり前のことだ」と反論した。【畠山嵩、後藤豪】