大阪府岸和田市消防本部は2日、心肺停止状態の生後8カ月の女児を搬送していた救急車が出発時に側溝で脱輪し、病院到着までに約6分の遅れが生じたと発表した。
女児は現場に駆け付けていた消防車に乗せかえて搬送したが、病院で死亡が確認された。同本部は、死亡と搬送が遅れたことの因果関係を調べる。
同本部によると、2日午前0時10分ごろ、岸和田市内の男性が「女児が呼吸をしていない」と119番し、救急車と消防車が出動。救急車は心肺停止状態だった女児を乗せ、午前0時22分ごろに出発したが、約1分後、幅約30センチの側溝に右後輪が落ちたという。
この救急車での搬送は不可能と判断、別の救急車を呼ぶか検討するなどした後、女児を消防車に乗せかえ救命措置を続けながら搬送したが、病院到着に約6分の遅れが生じた。同消防本部では原則として、心肺停止が疑われる場合は救急車とともに消防車も出動する運用をしているという。
女児の両親には事故の説明と謝罪をした。雪本貴司消防長は「女児の冥福をお祈りする。あってはならない事態で、再発防止を徹底したい」と陳謝した。