無料で子どもたちに淡水魚などを公開する「花園教会水族館」(京都市右京区)で、屋外に展示していた水槽の魚約50匹が死亡した。
水族館は、水槽にポイ捨てされた1本のたばこの吸い殻から染み出たニコチンが原因で死亡した可能性があるとみている。
2012年設立の水族館は、花園キリスト教会が運営し、約200種、1000匹を展示。牧師で館長の篠沢俊一郎さん(43)によると、コイやフナ、金魚など約60匹を飼育していた屋外の水槽(幅140センチ、高さ30センチ、奥行き70センチ)で、2週間ほど前から魚が相次いで死ぬようになった。
病気かと思い機械で水の濾過(ろか)を行うも状況が変わらず、25日、水を入れ替えようとしたところ、水槽の中にたばこの吸い殻1本があることに気付いた。これまでに約50匹が死んだという。
飼育する魚の大量死は初めてといい、篠沢さんは、たばこのニコチンが魚の体内に入ったことが原因ではないかと考えている。水槽を置いていた場所は道路に面しており、普段から近所の子どもたちが魚を観察して楽しんでいたという。
篠沢さんは「軽い気持ちでしたことが重大な結果につながることもある。どんな場所でもたばこのポイ捨てはやめてほしい」と話す。
神戸女学院大の横田弘文教授(生態毒性学)の話「ニコチンは水溶性で、急性の毒性をもつ。海外では、吸い殻を浸した水に魚を入れる実験も行われており、たばこが影響して魚が死んだ可能性は十分にある」