東京都世田谷区などを走行中の小田急線内で2021年8月、乗客3人を刺して殺害しようとしたとして、殺人未遂罪などに問われた対馬悠介被告(37)の裁判員裁判の公判が29日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であり、被告人質問が行われた。
対馬被告は「あらゆる人が幸せに見えて、劣等感を憎しみにしか転換できなかった」と犯行動機を述べた。
対馬被告は弁護人の質問に対し、21年3月から生活保護を受給して暮らす中、大型連休を楽しむ人々を街中で見たのを機に、6月頃に電車内での無差別大量殺人を計画したと説明。「周りの人は何不自由なく暮らしているように見え、自分だけ貧乏くじを引いてみじめに感じた」と語った。
また「(犯行の)ターゲットにするなら、きれいで、高飛車でむかつく感じの女性にしようと決めていた」とも話したが、弁護人から「事件を振り返ってどう感じているか」と問われると、「私の身勝手な感情で事件を引き起こしてしまった。罪深く思っており、どう償えばいいのだろうかと考えている」と述べた。