集中力が高まり、処理能力が上がり、先延ばしがなくなる……。そんな「要領がいい人」になれたらと、誰しも思うものだろう。ビジネスパーソンのメンタルケアの専門家で、著書に『努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』がある菅原洋平氏は、脳のパフォーマンスは「睡眠」で大きく左右されると語る。そんな菅原氏に、仕事中の眠気を吹き飛ばす「先取り仮眠」と、睡眠の「絶対ルール」を教えてもらった。
同じ失敗をなくすうえで天敵となるのが、「眠気」です。
日中に起こった眠気には、よく「15分仮眠がよい」といわれますよね。でも、そのとおりに実践しても、眠気がずっと続いてしまうことも少なくありません。
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この原因の1つは、眠気をギリギリまで我慢していること。ぜひ、覚えておいてください。最悪なのは、眠気のピークまで我慢してから、そのままウトウト居眠りをしてしまうこと。これをしてしまうと、目覚めた後も頭がボーッとした状態になります。眠くなって脳波がゆっくりになった状態で眠ってしまうと、目覚めて急に脳波が速まるわけにはいかないからです。これは、車が急に止まれない慣性の法則になぞらえて、「睡眠慣性」と呼ばれています。そこで、おすすめの方法があります。まだ眠くないうちに先取りして仮眠をしておくと、目覚めた後はよりスッキリできます。「大体これくらいの時間に眠くなる」ということがわかったら、眠気を覚える前に15分程度の仮眠をしておきましょう。脳のパフォーマンスは格段に上がり、「またやっちゃった」を未然に防ぐことにつながります。仕事中など、眠るわけにはいかない状況では、1分間、目を閉じてみるだけでも効果があります。目を閉じれば、眠っていなくても「アルファ波」というゆっくりした脳波が出現し、スッキリした感覚をつくることができるからです。一番やってはいけないのは、いま感じている眠気をただ我慢し続けること。そうなると、あなたの脳のセンサーが機能不全に陥り、同じ失敗を繰り返してしまうでしょう。覚えておきたい睡眠の「絶対ルール」睡眠について考えるときの絶対ルールはほかにもあります。次に紹介するものを合わせて、ぜひ覚えておいてください!Photo by iStock 【起床8時間後のルール】起床した8時間後(例:7時起床なら15時)は、睡眠・覚醒リズムによって脳の働きが低下し、知的作業ができず眠くなります。この時間帯に資料作成や企画の立案、新しい情報を読み込む作業を当てはめると、たちまちあくびが出て、眠気に耐えることに力を注ぎ続けるはめになります。【起床4時間後のルール】起床した4時間後(例:7時起床なら11時)は、1日のうちで最も知的作業がはかどる時間帯。この時間に意図的に考える作業をしてみると、なにも工夫しなくてもはかどることが体験できます。【起床直後のルール】起床直後は、窓から1メートル以内に入って日の光を浴びるようにしましょう。脳に光が届くと、睡眠のリズムをつくる物質「メラトニン」の分泌がストップし、その時点から体内時計がスタートします。紫外線が気になる人もいるかもしれませんが、直射日光を浴びる必要はなく、リビングなどの明るいところにいるだけでOKです。パソコンやスマホをチェックする、歯磨きやメイクをするなど、どんなことでもよいので、毎朝していることを、窓から1メートル以内の場所で行うようにしてみましょう。【起床11時間後のルール】内臓の温度である「深部体温」は、高くなるほど体のパフォーマンスが上がり、その後、急激に下がるほど眠くなって深く眠れます。起床11時間後(例:7時起床なら18時)は、深部体温が最高になる時間帯です。この時間に少しでも眠ってしまうと、その晩の睡眠の質は悪化します。反対に、1分でできるスクワット10回程度の運動をこの時間にすれば、深部体温が上がり、夜の睡眠の質も上がります。「睡眠コアタイム」を5時間以上つくる【仮眠30分のルール】1日に使える「深い睡眠の脳波」は限られています。昼の仮眠で深く眠ってしまうと、夜の睡眠分を食いつぶしてしまい、夜にぐっすり眠れなくなってしまいます。昼に仮眠をする場合は、どれだけ時間があっても30分以内に留めるようにしましょう。Photo by iStock 【就寝15分のルール】慢性的な睡眠不足でなければ、通常は、就寝して10分くらいで入眠します。ところが、就寝して15分寝つけなかったら、その後は大抵1時間は眠れません。そのままベッドにいれば、「ベッド=考えごとをする場所」と脳が学習してしまいます。そこで、15分寝つけなかったらベッドを出て、1時間後に眠気を感じたら就寝するようにしてみましょう。【起床時間3時間差のルール】起床時間がずれるほど、脳はダメージを受けます。平日と休日の起床時間の差は、3時間以内に収めましょう。私は睡眠障害を抱えた人をたくさん見てきましたが、起床時間の差が3時間以内の人には、メンタルの不調者はすごく少ないです。反対に、起床時間を3時間以上ずらして、昼頃まで寝だめをしていると、やることが面倒くさくなったり、理由なくイライラしたりすることがあります。【コアタイム5時間のルール】どんなスケジュールでも絶対眠っている時間帯のことを、「睡眠コアタイム」といいます。たとえば、普段0時に就寝して7時に起床している人が、金曜日の夜に4時まで夜更かしをしていれば、その1週間の睡眠コアタイムは4時から7時の3時間です。睡眠コアタイムが短いほど、昼間にぼんやりして夜はぐっすり眠れなくなります。睡眠コアタイムを5時間以上つくることができれば、睡眠のリズムはひとまず安定します。
この原因の1つは、眠気をギリギリまで我慢していること。
ぜひ、覚えておいてください。
最悪なのは、眠気のピークまで我慢してから、そのままウトウト居眠りをしてしまうこと。
これをしてしまうと、目覚めた後も頭がボーッとした状態になります。眠くなって脳波がゆっくりになった状態で眠ってしまうと、目覚めて急に脳波が速まるわけにはいかないからです。
これは、車が急に止まれない慣性の法則になぞらえて、「睡眠慣性」と呼ばれています。
そこで、おすすめの方法があります。まだ眠くないうちに先取りして仮眠をしておくと、目覚めた後はよりスッキリできます。
「大体これくらいの時間に眠くなる」ということがわかったら、眠気を覚える前に15分程度の仮眠をしておきましょう。脳のパフォーマンスは格段に上がり、「またやっちゃった」を未然に防ぐことにつながります。
仕事中など、眠るわけにはいかない状況では、1分間、目を閉じてみるだけでも効果があります。
目を閉じれば、眠っていなくても「アルファ波」というゆっくりした脳波が出現し、スッキリした感覚をつくることができるからです。
一番やってはいけないのは、いま感じている眠気をただ我慢し続けること。
そうなると、あなたの脳のセンサーが機能不全に陥り、同じ失敗を繰り返してしまうでしょう。
睡眠について考えるときの絶対ルールはほかにもあります。
次に紹介するものを合わせて、ぜひ覚えておいてください!
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【起床8時間後のルール】起床した8時間後(例:7時起床なら15時)は、睡眠・覚醒リズムによって脳の働きが低下し、知的作業ができず眠くなります。この時間帯に資料作成や企画の立案、新しい情報を読み込む作業を当てはめると、たちまちあくびが出て、眠気に耐えることに力を注ぎ続けるはめになります。【起床4時間後のルール】起床した4時間後(例:7時起床なら11時)は、1日のうちで最も知的作業がはかどる時間帯。この時間に意図的に考える作業をしてみると、なにも工夫しなくてもはかどることが体験できます。【起床直後のルール】起床直後は、窓から1メートル以内に入って日の光を浴びるようにしましょう。脳に光が届くと、睡眠のリズムをつくる物質「メラトニン」の分泌がストップし、その時点から体内時計がスタートします。紫外線が気になる人もいるかもしれませんが、直射日光を浴びる必要はなく、リビングなどの明るいところにいるだけでOKです。パソコンやスマホをチェックする、歯磨きやメイクをするなど、どんなことでもよいので、毎朝していることを、窓から1メートル以内の場所で行うようにしてみましょう。【起床11時間後のルール】内臓の温度である「深部体温」は、高くなるほど体のパフォーマンスが上がり、その後、急激に下がるほど眠くなって深く眠れます。起床11時間後(例:7時起床なら18時)は、深部体温が最高になる時間帯です。この時間に少しでも眠ってしまうと、その晩の睡眠の質は悪化します。反対に、1分でできるスクワット10回程度の運動をこの時間にすれば、深部体温が上がり、夜の睡眠の質も上がります。「睡眠コアタイム」を5時間以上つくる【仮眠30分のルール】1日に使える「深い睡眠の脳波」は限られています。昼の仮眠で深く眠ってしまうと、夜の睡眠分を食いつぶしてしまい、夜にぐっすり眠れなくなってしまいます。昼に仮眠をする場合は、どれだけ時間があっても30分以内に留めるようにしましょう。Photo by iStock 【就寝15分のルール】慢性的な睡眠不足でなければ、通常は、就寝して10分くらいで入眠します。ところが、就寝して15分寝つけなかったら、その後は大抵1時間は眠れません。そのままベッドにいれば、「ベッド=考えごとをする場所」と脳が学習してしまいます。そこで、15分寝つけなかったらベッドを出て、1時間後に眠気を感じたら就寝するようにしてみましょう。【起床時間3時間差のルール】起床時間がずれるほど、脳はダメージを受けます。平日と休日の起床時間の差は、3時間以内に収めましょう。私は睡眠障害を抱えた人をたくさん見てきましたが、起床時間の差が3時間以内の人には、メンタルの不調者はすごく少ないです。反対に、起床時間を3時間以上ずらして、昼頃まで寝だめをしていると、やることが面倒くさくなったり、理由なくイライラしたりすることがあります。【コアタイム5時間のルール】どんなスケジュールでも絶対眠っている時間帯のことを、「睡眠コアタイム」といいます。たとえば、普段0時に就寝して7時に起床している人が、金曜日の夜に4時まで夜更かしをしていれば、その1週間の睡眠コアタイムは4時から7時の3時間です。睡眠コアタイムが短いほど、昼間にぼんやりして夜はぐっすり眠れなくなります。睡眠コアタイムを5時間以上つくることができれば、睡眠のリズムはひとまず安定します。
【起床8時間後のルール】
起床した8時間後(例:7時起床なら15時)は、睡眠・覚醒リズムによって脳の働きが低下し、知的作業ができず眠くなります。
この時間帯に資料作成や企画の立案、新しい情報を読み込む作業を当てはめると、たちまちあくびが出て、眠気に耐えることに力を注ぎ続けるはめになります。
【起床4時間後のルール】
起床した4時間後(例:7時起床なら11時)は、1日のうちで最も知的作業がはかどる時間帯。この時間に意図的に考える作業をしてみると、なにも工夫しなくてもはかどることが体験できます。
【起床直後のルール】
起床直後は、窓から1メートル以内に入って日の光を浴びるようにしましょう。脳に光が届くと、睡眠のリズムをつくる物質「メラトニン」の分泌がストップし、その時点から体内時計がスタートします。
紫外線が気になる人もいるかもしれませんが、直射日光を浴びる必要はなく、リビングなどの明るいところにいるだけでOKです。パソコンやスマホをチェックする、歯磨きやメイクをするなど、どんなことでもよいので、毎朝していることを、窓から1メートル以内の場所で行うようにしてみましょう。
【起床11時間後のルール】
内臓の温度である「深部体温」は、高くなるほど体のパフォーマンスが上がり、その後、急激に下がるほど眠くなって深く眠れます。
起床11時間後(例:7時起床なら18時)は、深部体温が最高になる時間帯です。この時間に少しでも眠ってしまうと、その晩の睡眠の質は悪化します。
反対に、1分でできるスクワット10回程度の運動をこの時間にすれば、深部体温が上がり、夜の睡眠の質も上がります。
【仮眠30分のルール】
1日に使える「深い睡眠の脳波」は限られています。昼の仮眠で深く眠ってしまうと、夜の睡眠分を食いつぶしてしまい、夜にぐっすり眠れなくなってしまいます。
昼に仮眠をする場合は、どれだけ時間があっても30分以内に留めるようにしましょう。
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【就寝15分のルール】慢性的な睡眠不足でなければ、通常は、就寝して10分くらいで入眠します。ところが、就寝して15分寝つけなかったら、その後は大抵1時間は眠れません。そのままベッドにいれば、「ベッド=考えごとをする場所」と脳が学習してしまいます。そこで、15分寝つけなかったらベッドを出て、1時間後に眠気を感じたら就寝するようにしてみましょう。【起床時間3時間差のルール】起床時間がずれるほど、脳はダメージを受けます。平日と休日の起床時間の差は、3時間以内に収めましょう。私は睡眠障害を抱えた人をたくさん見てきましたが、起床時間の差が3時間以内の人には、メンタルの不調者はすごく少ないです。反対に、起床時間を3時間以上ずらして、昼頃まで寝だめをしていると、やることが面倒くさくなったり、理由なくイライラしたりすることがあります。【コアタイム5時間のルール】どんなスケジュールでも絶対眠っている時間帯のことを、「睡眠コアタイム」といいます。たとえば、普段0時に就寝して7時に起床している人が、金曜日の夜に4時まで夜更かしをしていれば、その1週間の睡眠コアタイムは4時から7時の3時間です。睡眠コアタイムが短いほど、昼間にぼんやりして夜はぐっすり眠れなくなります。睡眠コアタイムを5時間以上つくることができれば、睡眠のリズムはひとまず安定します。
【就寝15分のルール】
慢性的な睡眠不足でなければ、通常は、就寝して10分くらいで入眠します。ところが、就寝して15分寝つけなかったら、その後は大抵1時間は眠れません。そのままベッドにいれば、「ベッド=考えごとをする場所」と脳が学習してしまいます。
そこで、15分寝つけなかったらベッドを出て、1時間後に眠気を感じたら就寝するようにしてみましょう。
【起床時間3時間差のルール】
起床時間がずれるほど、脳はダメージを受けます。平日と休日の起床時間の差は、3時間以内に収めましょう。私は睡眠障害を抱えた人をたくさん見てきましたが、起床時間の差が3時間以内の人には、メンタルの不調者はすごく少ないです。
反対に、起床時間を3時間以上ずらして、昼頃まで寝だめをしていると、やることが面倒くさくなったり、理由なくイライラしたりすることがあります。
【コアタイム5時間のルール】
どんなスケジュールでも絶対眠っている時間帯のことを、「睡眠コアタイム」といいます。たとえば、普段0時に就寝して7時に起床している人が、金曜日の夜に4時まで夜更かしをしていれば、その1週間の睡眠コアタイムは4時から7時の3時間です。
睡眠コアタイムが短いほど、昼間にぼんやりして夜はぐっすり眠れなくなります。睡眠コアタイムを5時間以上つくることができれば、睡眠のリズムはひとまず安定します。