帰宅ラッシュで混雑するターミナル駅のJR町田駅(東京都町田市)近くで26日夜、発砲事件があった。
撃たれたのは暴力団関係者で、警視庁は背後関係などを調べているが、一歩間違えば、一般人が巻き込まれた可能性もあった。「言葉が出なかった」「身の危険を感じた」。現場は血の海で、逃げ惑う利用客もいてパニック状態になった。
撃たれた男性は喫茶店で一人でいるところを狙われた。銃を手にした男は男性に声をかけ1発を発砲。さらに、店から逃げようとした男性を追いかけ、20メートルくらい離れたところで、2発を発砲した。
近くの居酒屋で働く女性(39)は現場近くの路上にいた際に、破裂音を聞いた。音のした駅構内の出入口の方を振り向くと、20人くらいの男女が、後ろを振り向きながら逃げてくるのが見えたという。「『何かが起きたんだな』と身の危険を感じ、とっさに逃げた」と声を震わせた。
町田市内に住む男性会社員(48)は、自宅に帰ろうと、駅の方に足を踏み入れた瞬間、異変を感じたという。周辺は血の海になっており、その先に男性が倒れていた。「声が聞こえるか」。男性の心臓をマッサージする警察官の姿があったという。
だが、周辺を取り巻くように見守る利用客は、怖くて誰も近づけない様子だった。帰宅ラッシュで混雑する時間帯で、男性会社員は「血を見たときは、動転した。言葉がでなかった」と話した。