ジェンダー問題などに取り組む団体の代表理事の山本和奈さんが、京都府の山下晃正(あきまさ)副知事(71)からセクハラ発言を受けたとされる問題で、府設置の調査委員会は2日、一部発言がセクハラに当たると認定した。
西脇隆俊知事は1日、口頭で山下氏を厳重注意した。
調査委によると山下氏は昨年11月、スペインで開かれた都市運営に関するイベントに出席。その際、初対面の山本さんに「また違う男の人を連れ回しているね」などと発言した。調査委はこの発言をセクハラに該当すると結論付けた。一方、「俺はセクハラの塊みたいなもん」などとの発言もあったが、調査委は話の流れで自虐的に発言したものと認め、ただちにセクハラには当たらないとした。このほか個人的な「おわびメール」を11月下旬に3回送信した行為について、ハラスメント被害者保護の観点から軽率で不適切だと断じた。
山下氏は記者団の取材に応じ、「無意識のうちに出てしまった。不快な思いとご迷惑をかけ、おわびしたい」と話した。またアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)に関する研修を受けたことも明らかにした。
山本さんはオンラインで記者会見し「処分が甘いと感じた。セクハラに対する問題意識が変わるよう組織的な再発防止が必要だ」と訴えた。