「先日、楽天モバイルの元部長と下請け会社の幹部らが49億円もの金を詐取していたことが報じられたばかりですが、別の下請け会社の社長Xは大麻の栽培や販売に関わっています」
そう打ち明けるのは、ある会社経営者だ。楽天モバイルの携帯電話基地局の整備事業を巡り、元部長と下請け会社の常務や社長が詐欺容疑で警視庁に逮捕・起訴されたのは今年3月のこと。元部長は横領した金で、高級外車やマンション、ブランド品を次々と購入していたことが話題となっていた。
その楽天モバイルで今度は、携帯基地局の事業を行う別の下請け会社の社長が薬物の栽培や販売に関わっていたというのである。
「以前、私の知人と一緒に暮らしていた仙台出身のYという人物がいます。知人は、Yから『大麻の栽培を一緒にやらないか』と持ち掛けられたそうです。Yは以前、テレビ東京のアニメ番組で音楽制作に携わっていたことを自慢していたことがあるそうです。ただ、音楽では食えず、楽天モバイルの下請けの仕事をしていたと周囲に語っていたことも。その下請け会社社長Xの指示で、大麻の栽培や販売を行っているというのです」(同前)
〈お疲れ様です!!!芽が出ました!!!めっちゃ嬉しいです(絵文字)〉
これは約2年前、Y氏が「テレグラム」で、ある人物たちとやり取りをしていた内容の一部だ。メッセージの送信相手は、主に下請け会社の社長X氏である。
東京都北区に本社を置くX氏の会社は、ホームページを見ると、携帯電話の通信インフラ整備や解体工事などが主な事業だと記されている。
「同社は楽天モバイルの4次下請けとして、携帯のアンテナ基地局の設置工事や、検査、修繕の仕事をしているそうです。4次下請けとはいえ、作業員が現場へ行くと『楽天モバイルです』と言って仕事をしていたといいます」(同前)
本誌は、このX氏とY氏がテレグラムを使ってやり取りをしている大量の画像や資料を入手。そこには、こんなやり取りが残されていたのだ。
X〈良いんだけど、ほぼインディカってのは少し気になるな~ やっぱロイヤルゴリラが完璧だっただけにね~〉
Y〈5粒くらい買ってみますか?そしてちゃんとしたやつも5粒買いましょう〉
ちなみに、インディカやロイヤルゴリラというのは大麻の種類のことだ。
関係者によると、「X氏は大麻の栽培や販売の指示役を担っている」という。入手したメッセージの中でX氏は、空気清浄機、コンセントタイマー、吸音断熱材ロックウール、青と赤の蛍光灯など栽培に必要な機材や備品を、メーカーや個数まで指定し、Y氏に購入の指南をしているのだ。
なかにはご丁寧に手書きの図を送信して、栽培方法を説明している画像もあり、X氏は〈スクショ、撮っときな〉ともメッセージを送っていた。
別の関係者はこう証言する。
「Yは、さいたま市などに賃貸マンションを借りて、栽培部屋としていました」
これらの証言を裏付けるように、本誌はY氏が借りていたマンションの賃貸契約書や、栽培部屋の内部写真(上写真)も入手している。また、昨年12月、Y氏がX氏から12万円を借りた際の借用書も手に入れており、二人に金銭面で繋がりがあることもうかがえるのだ。
当然のことながら、大麻の不正栽培や販売は、大麻取締法で禁止されている。はたして当事者は取材に何と答えるのか。
X氏の会社住所を訪ねてみると、そこはバーチャルオフィスだった。X氏の携帯電話に連絡すると、「お答えすることは何一つありません」と話した。
一方、楽天の広報担当者に事実関係の確認や今後の対応などについて聞くと、「直接の取引関係になくコメントする立場にない」と文書で回答。
前出の関係者によれば、X氏やY氏が大麻栽培に関わっていた情報は、すでに捜査当局も把握しているという。事件化される日も近そうだ。
『FRIDAY』2023年5月5日号より