岩手県釜石市の個人情報の漏洩(ろうえい)について調査委員会が報告書を公開しました。職員らは、市民の個人情報を見て、あざ笑うかのようなやり取りをしていました。
■3万人分の市民情報を“自宅PCに送信”
職員:「××のお母さんって結婚2回?」「1回離婚しているのでバツイチっぽいです。未婚の状態で産んだのかな?」
釜石市では、職員3人が市民全員にあたるおよそ3万人分の氏名や住所などが記載されたデータを自宅のパソコンにメールで送信するなどしていました。
釜石市は1日、調査委員会の報告書をまとめ市のホームページに公表。そこには個人情報を扱っているという認識が欠如した実態が明らかにされていました。
■情報ネタにチャット「滞納者が偽善ぶって」
施設使用料を滞納している市民の情報を得て、勤務時間中に行われたチャットのやり取りでは…。
職員:「滞納者が偽善ぶってんじゃねぇよって、イラッとした」「滞納しているくせに偉そうに」
他の市職員の診断書を巡るやり取りでは…。
職員:「きょう、〇〇さんは通院で一日休みです。『うつ病』かサボりか分かりませんが困ったものです」
報告書では、漏洩の原因について職員の認識は「市民の個人情報を市の外部に漏らさなければ自宅に持ち出しても問題ない」というものだったこと、などを挙げています。
専門家は、次のように話します。
龍谷大学 法学部 本多滝夫教授:「住民サービスのために必要な限りにおいて預かっている個人情報であって、それ以外には基本的に使ってはならない、そういう理解を徹底する。そういう職員研修が必要ではないか」