〈オフレコでしかもその場で撤回した発言をよくも書くなあと呆れますが、書くのであれば以下の発言をちゃんと追記するように伝えてください。修正しないなら意図的な記事として法的措置を取ります〉
【写真を見る】「サル発言」で会見で謝罪する立憲民主党の小西洋之氏 衆院憲法審査会の開催間隔を巡る“サル発言”。立憲民主党に所属する渦中の小西洋之参院議員(51)は、最近も日本維新の会・馬場伸幸代表に謝罪の仕方が“社会常識としておかしい”と叱られたばかり。その小西氏は問題発言の日の夜、産経新聞の記者にこんな文章を送りつけていたという。

産経の経営幹部が言う。「完全に編集権への介入です。立民は今国会で“メディアへの圧力”を巡って高市早苗経済安全保障担当大臣を厳しく追及した。その急先鋒だった小西が記事内容の変更を求めてウチの記者を脅した。言論機関に対する重大な挑戦で、立民を得意のブーメランと笑って済ませることはできない」二の足を踏む産経新聞気骨ある産経記者 産経新聞は小西氏の“サル発言”を29日にウェブで報じ、30日の朝刊では〈立民・小西氏、毎週の憲法審「サルがやること」開催頻度巡り批判〉との見出しで紙面化した。小西氏はそれらが気に入らず、記者に高圧的な態度を取ったようだ。「その後、担当記者は泉健太立民代表の会見の場に臨み、敢然と例の文面を読み上げた。その上で“完全に圧力だ。黙認すれば政府を問い質していくという立民の正当性が失われる”と厳しく追及したのです。気圧された泉氏は、渋い表情で“対応を考えていかなければならない”と返すのがやっとでしたね」 気骨ある産経記者の姿に、インターネットやSNSも反応。「さすが産経」「こんな記者がいたとは」「勇気ある行動を絶賛」などと支持する声が相次いでいる。 他紙の編集幹部も同様で、「テレビカメラも入った会見場で一歩も引かず、妙な理屈をこねまわす小西の非を追及した。立民の他の議員も“新聞記者はこれくらいじゃないと”と感心していましたし、維新や国民民主の議員からは“小西は自分の言葉の意味を理解できていないのでは”“議員辞職すべきは高市より小西”といった声がありました」小西氏に敗訴した過去 新聞記者の範とされる、読売新聞OBでジャーナリストの本田靖春は生前、「新聞記者には新聞記者魂というものがある」と語った。今回、多くの与野党議員や記者がその“魂”を垣間見たはずだが、当の産経新聞はいまも沈黙したままだ。「産経は2日の社説でも小西を〈品性欠く攻撃にあきれる〉と厳しく批判しながら、自紙への圧力には触れず仕舞い。11日に立民が小西を幹事長注意とした際も、それを淡々と報じるだけでした。本来なら一大キャンペーンを張って、小西を徹底的に糾弾するべきだと思うんですが……」 産経の中堅記者もあきれ顔。「恫喝された当人はもちろん、現場の記者たちの中でも“事実を報じるべきだ”との意見が大勢です。それでも上層部は動かない。“相手にするな”と冷静を装ってはいるものの、実際は訴訟をチラつかせる小西と関わることに二の足を踏んでいるのでしょう」 確かに小西氏は永田町で「クレーマー」、相手を質問攻めにすることから「クイズ王」などと揶揄される“うるさ型”。しかも産経は過去、小西氏に敗訴した苦い経験を持つ。「身内を守らず、議員の横暴には頬かむり。これで報道機関といえるのか」 読者も同じ思いだろう。「週刊新潮」2023年4月27日号 掲載
衆院憲法審査会の開催間隔を巡る“サル発言”。立憲民主党に所属する渦中の小西洋之参院議員(51)は、最近も日本維新の会・馬場伸幸代表に謝罪の仕方が“社会常識としておかしい”と叱られたばかり。その小西氏は問題発言の日の夜、産経新聞の記者にこんな文章を送りつけていたという。
産経の経営幹部が言う。
「完全に編集権への介入です。立民は今国会で“メディアへの圧力”を巡って高市早苗経済安全保障担当大臣を厳しく追及した。その急先鋒だった小西が記事内容の変更を求めてウチの記者を脅した。言論機関に対する重大な挑戦で、立民を得意のブーメランと笑って済ませることはできない」
産経新聞は小西氏の“サル発言”を29日にウェブで報じ、30日の朝刊では〈立民・小西氏、毎週の憲法審「サルがやること」開催頻度巡り批判〉との見出しで紙面化した。小西氏はそれらが気に入らず、記者に高圧的な態度を取ったようだ。
「その後、担当記者は泉健太立民代表の会見の場に臨み、敢然と例の文面を読み上げた。その上で“完全に圧力だ。黙認すれば政府を問い質していくという立民の正当性が失われる”と厳しく追及したのです。気圧された泉氏は、渋い表情で“対応を考えていかなければならない”と返すのがやっとでしたね」
気骨ある産経記者の姿に、インターネットやSNSも反応。「さすが産経」「こんな記者がいたとは」「勇気ある行動を絶賛」などと支持する声が相次いでいる。
他紙の編集幹部も同様で、
「テレビカメラも入った会見場で一歩も引かず、妙な理屈をこねまわす小西の非を追及した。立民の他の議員も“新聞記者はこれくらいじゃないと”と感心していましたし、維新や国民民主の議員からは“小西は自分の言葉の意味を理解できていないのでは”“議員辞職すべきは高市より小西”といった声がありました」
新聞記者の範とされる、読売新聞OBでジャーナリストの本田靖春は生前、「新聞記者には新聞記者魂というものがある」と語った。今回、多くの与野党議員や記者がその“魂”を垣間見たはずだが、当の産経新聞はいまも沈黙したままだ。
「産経は2日の社説でも小西を〈品性欠く攻撃にあきれる〉と厳しく批判しながら、自紙への圧力には触れず仕舞い。11日に立民が小西を幹事長注意とした際も、それを淡々と報じるだけでした。本来なら一大キャンペーンを張って、小西を徹底的に糾弾するべきだと思うんですが……」
産経の中堅記者もあきれ顔。
「恫喝された当人はもちろん、現場の記者たちの中でも“事実を報じるべきだ”との意見が大勢です。それでも上層部は動かない。“相手にするな”と冷静を装ってはいるものの、実際は訴訟をチラつかせる小西と関わることに二の足を踏んでいるのでしょう」
確かに小西氏は永田町で「クレーマー」、相手を質問攻めにすることから「クイズ王」などと揶揄される“うるさ型”。しかも産経は過去、小西氏に敗訴した苦い経験を持つ。
「身内を守らず、議員の横暴には頬かむり。これで報道機関といえるのか」
読者も同じ思いだろう。
「週刊新潮」2023年4月27日号 掲載