ベビーシッターの派遣先やキャンプ場で、5歳から11歳の男の子あわせて20人に対して性的暴行を加えた罪などに問われた元ベビーシッターに対し、東京高裁は一審に続き、懲役20年の実刑判決を言い渡しました。
元ベビーシッターで無職の橋本晃典被告(31)は、ベビーシッターの派遣先やボランティアとして参加したキャンプ場などで、男の子に対し性的暴行を加えた強制性交や強制わいせつの罪などに問われています。
被害にあったのはいずれも男の子で、事件当時5歳から11歳まで、20人に上っています。
2022年8月、東京地裁は「信頼される立場を利用し、被害者の未熟さにつけ込んだ悪質な犯行だ」として、懲役20年の実刑判決を言い渡しましたが、橋本被告側は「量刑が重すぎる」として控訴していました。
東京高裁はきょう午後、判決を言い渡す前に弁論を開き、被害にあった男の子の父親の意見書が読み上げられました。
【被害男児の父親の意見書】「被告が控訴したことや理由を聞きやるせない気持ちになりました」「量刑不当とはよく言えたものです」
橋本被告が一審の東京地裁で、アルコール依存症の母親から虐待を受けていたことや、中学生のときにネットで知り合った男性から性的虐待を受けたことなどを理由に情状酌量を求めていたことなどを踏まえて、父親はこう述べました。
【被害男児の父親の意見書】「過去の憂さ晴らしを弱い者にしてはいけません。被告には、再犯をおかさないために、事実を認める気持ちが感じられない」「純粋な心を持つ子どもに負わせた心の傷は消えることはありません」「親の私達ですら、声をふるわせながら被害を訴えた子どもの姿がフラッシュバックします」
その後、裁判は結審し、東京高裁は「被害者1人に賠償金の一部として50万円を支払っていることなどを考慮しても、一審の量刑が重過ぎて不当とは言えない」として、橋本被告側の控訴を退け、一審に続き、懲役20年の実刑判決を言い渡しました。
橋本被告は2020年までの4年余りで、強制性交の罪で22件、強制わいせつの罪で14件、わいせつ行為を携帯電話で撮影するなどした児童ポルノ禁止法違反の罪で20件起訴されています。