狭いケージの中に入れられた、たくさんの犬。飼育する犬の病気やけがを放置し、虐待したとして、2月8日、57歳のブリーダーの女が逮捕された。
動物愛護法違反の疑いで逮捕されたのは、大阪・寝屋川市のブリーダー業者「フィスドシェリー」の代表・橋本千代子容疑者(57)。2016年から2022年までの間、病気やケガの犬10匹に適切な保護を行わなかった疑いが持たれている。
橋本容疑者は逮捕前、FNNの取材に虐待を否定していた。
‘Q.エサを与えていない、病院に連れて行かないと聞いているが?)橋本容疑者:そんなんしてたら捕まるやろ。逮捕されるやろ。(Q.事実としてはない?)ないない。ちゃんと病院も行ってるし
しかし、約2年前まで店で働いていた元従業員は、不衛生な飼育の実態をこう明かした。
元従業員:すごい臭いで、ふん尿まみれみたいな。ひどい飼育状態でした
これは元従業員が撮影した店内の映像だ。約100個の狭いケージで、200匹を超える犬を飼育。
橋本容疑者からは,「大人の犬には1日エサを与えなくていい」という指示もあったという。
元従業員:真夏とか室温30℃を超えてたので、中には暑さで熱中症みたいになって、吐いている犬とかもいたんで。病院に連れて行ってくれと言っても、「まぁ大丈夫やろ」みたいな感じで,病院に連れて行かない
元従業員の話では、橋本容疑者は売り上げのために何度も繁殖させ、12年前は30匹だった犬が、1年前には400匹を超え、飼育ができない状態になっていたという。
元従業員:医療にもまともにかけていなかったので、どんどん子犬が死んでいく…
(Q.橋本容疑者がそれをも見たときには?)元従業員:「あーあ」だけです。「この子いくらで売れたのに」とか
元従業員は、タレントの杉本彩さんが代表を務める動物愛護団体に相談。団体は2022年11月、橋本容疑者を刑事告発した。
公益財団法人 動物環境・福祉協会Eva理事長 杉本彩さん:本当に最悪の地獄のような環境下で、この営業が行われているということですよね。刑事告発するというところしか、手段がなかったっていうことですね
告発状によると、2021年12月までの半年間で死んだ子犬は約100匹。しかし、橋本容疑者は「それは自分の店ではない」と主張している。
(Q.半年間に100匹死んだのでは?)橋本容疑者:それは私もな、言われへんのやけど、うちじゃないねん。似た名前のお店があって、私が経営しているお店じゃないねん
警察の調べに対し、橋本容疑者は「病院にも連れて行っていたので『適切な保護を行わず』という部分に納得がいきません」と話し、容疑を否認している。
(「イット!」2月8日放送より)